ハンドヘルドコンピュータ革命

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iPhone をハンドヘルドコンピュータとして捉え、その可能性を探った興味深い記事がある。

Seeking Alpha: “Apple’s Handheld Computer Revolution” by Andrew Melcher: 26 July 2007

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ハンドヘルドコンピュータ

事実 Steve Jobs は、アップルの新しいデスクトップ OS が iPhone や iPod でも動くとまでいっているのだ。ということは、これらのデバイスが「ハンドヘルドのアップル OS コンピュータ」だということを認めたことになる。

… In fact, Steve Jobs even announced that Apple’s new desktop OS will work on the iPhone and iPod — Confirming that these devices will also be hand-held Apple OS computers.

アップルの製品ラインナップに、ポケットサイズでいつでも持ち運べるコンピュータが加わるのだ。それも無数のワイヤレス構想が、有料の携帯電話に取って代わろうとするまさにこの時に・・・。このことは、ハンドヘルドコンピュータ革命を押し進めていく上でアップルが際立って有利な立場に立つこと意味する。

So Apple will have a product line of pocket-size, always-with-you computers, just as hundreds of WiFi initiatives begin to take over paid cellular. This will put Apple in a uniquely strong position to drive a revolution in handheld computing.

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ケイタイは補助的なデバイス

今のところ固定電話回線からインターネットに接続することは辛うじて「タダで」できる。しかし真のモバイル環境を達成しようとすると、速度の遅い携帯電話でインターネットを利用して掛かった分の料金を支払うか、あるいは密度にばらつきのある WiFi ネットワークを利用するかのいずれしかない。物事の変化のテンポは早いというのに、ことモバイル・コンピューティングに関する限り、高額のカネを支払うかそれともばらつきのある無線ネットワークを選ぶかのどちらかだ。このため誰もが、通信のベースステーションとしてダサイ PC を使わざるを得ず、携帯機器はいわば補助的な道具にならざるを得ないのだ。

You see, right now it is marginally “free” to go online from a fixed line. But to go truly mobile, we either have to pay by-the-minute to use the slow cellular internet, or we have to deal with spotty WiFi coverage. Things are changing fast, but exclusively mobile computing remains an expensive or spotty trade-off. This forces nearly everyone to use a clunky computer as a central base of communication, and handhelds remain sort of ancillary things.

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PC からハンドヘルドへ

然るに WiFi ネットワークが拡大すれば、携帯機器によるコンピュータの活躍する余地が出て来る。アップル OS が iPhone で動くことになれば、そこら中のダサイ PC で出来る重要なことはすべて、ポケットサイズのハンドヘルドコンピュータで出来ることになる。そうなれば、好きなときにインターネットに接続できるか、無料の VOIP[Voice over IP:IP電話]にアクセスが可能かという利便性だけが、選択の決定要因となる。その時点で、ポケットに収まらない機器は不要なものとなり、世界はハンドヘルドおよびそのドック[cradle:クレードル]に転換するのだ。

However, spreading WiFi coverage is creating an opening for handheld-centric computing. And once Apple OS runs on the iPhone, pocket-size handhelds will be able to do all the important stuff a clunky PC can. A [sic] that point, the convenience of always having internet and free VOIP access in your pocket will become the only decision variable. At that point, the device that can’t fit in your pocket becomes redundant and the world switches to handhelds and cradles.

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OS が小さくなれるかどうかが問題

マイクロソフトには、ダサイ PC を脱して新しいハンドヘルドの領域で主導権を握る準備が全く出来ていないように見える。間違いなく新しいインターフェイス(iPhone の特許で保護されたキーボードや指の動きをセンサーチェックする)は必要だ。しかしもっと決定的に重要なことは、膨れ上がった Windows Vista(CE バージョンではなく)をハンドヘルドのフラッシュメモリーに搭載できるようにすることだ。こうなるとアップルの小さい OS は決定的に有利だ。膨らみ過ぎたウインドウズを小さなフラッシュメモリーチップに載せて機器を駆動できるようになるまでには少なくともあと一年は必要だ。どうやら、ウインドウズが必要不可欠な機能を備えたプラットフォームとして来年登場する可能性は望み薄のようだ。

Microsoft seems completely unprepared to push its dominance with clunky computers into this new handheld realm. It will certainly need new interfaces like the iPhone’s patented keyboard and finger driven actuation. But more critically, Microsoft will need to load bloated Windows Vista (not the CE version) on an flash memory handheld. The smaller Apple OS has a critical advantage here. It will be at least another year before flash memory chips are big enough to power a standard Windows bloatware device. It seems that Windows will be stuck without next year’s absolutely-must-have functionality – platform ubiquity.

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iPhone の変身

臨界量を超える数の人々がウインドウズを去れば、これまでマイクロソフトが持っていた唯一の力の源、すなわちユーザーネットワークは消滅してしまう。その時点でアップルの携帯機器は、単なる 100 万人の好奇心の対象から、1台が 600 ドルするグローバルなコミュニケーションのための標準/ネットワークに変わることになる。そしていずれ何十億というデスクトップコンピュータにとって変わるのだ。

Once a critical mass of people leaves Windows, the only source of power Microsoft ever really had (its user network) will evaporate. At that point, Apple handhelds stop being a million user curiosity and starts looking like a $600/unit global communication standard/network that will eventually replace nearly a billion desktop computers.

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ケイタイ業界も対抗できない

また iPhone は、携帯電話業界を脅かすテクノロジーとなるかもしれない。Nokia などでは、600 ドル(あるいは 3000 ドル)の iPhone(それはドックにつないで使えるアップル製コンピュータということなのだが)に匹敵するものを造り出すことはできない。携帯電話メーカーもまた、アップルが築き上げてきた優れたデスクトップソフトウェアの世界に対抗する準備が全く出来ていないように見える。

And the iPhone may also be a killer technology for the cell phone hardware industry as well. The likes of Nokia will simply not be able to create functions valuable enough to compete with $600 (or $3,000) iPhones that are also dockable Apple computers. The cell phone manufacturers as well seem wholly unprepared to compete with Apple’s well established desktop software universe.

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ハンドヘルドとしての iPhone の未来

結論をいえば iPhone の後継機は、移動通信の両端であるノードコンピューティング(node computing)と通信(communication)の間隙を埋めることにより、その支配権を握るかもしれないということなのだ。ドックにつなげるアップルのコンピュータがポケットに入っていて、いつでも無料でインターネットに接続できるということなら、ほかにコンピュータや携帯電話が必要だと思ったりするだろうか。

In summary, it seems that iPhone’s offspring could dominate node computing and communication by bridging both ends of the mobility continuum. After all, If you had a dockable Apple computer in your pocket – A device that could always access the Internet for free – would you need another computer, or a cell phone?

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初めて真の競争を迫られるマイクロソフト

まさにこのようなプラットフォームの変化こそ、Steve Jobs が20年間待ち続けたものなのだ。マイクロソフトは、これまでで初めて技術革新の一番根幹の部分で競争することを強いられる。しかも今度は、アップル製ハンドヘルドがウインドウズ PC で出来ることならなんでも、いやそれ以上のことを出来るのだ。今回は、技術革新と Steve Jobs の戦術(それは iPod 登場のずっと以前から熟慮されたものに間違いない)があまりに早く展開するので、老朽化しつつあるマイクロソフトには対応することが困難なのだ。さらに加えてマイクロソフトには対応しなければならない二つの戦線があるのだ。(この点については「グーグルはいかにしてノードコンピューティングを殺すか」を参照のこと。)

This change of platform is exactly what Steve Jobs has been waiting two decades for. It will force Microsoft to compete on the basis of innovation for the first time ever. But this time, Apple handhelds will do everything Windows devices can do and much more. This time technological change and Steve Jobs’ battle plan (no doubt conceived well before the launch of the iPod) will unfold too fast for aging Microsoft to react to. On top of that, Microsoft is facing a two front war. For Microsoft’s other front, see: How Google will kill node computing.

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ポケットに入れて持ち運べるハンドヘルド型のコンピュータがアップルから本当に出るのならこれはスゴいことだ。

Steve Jobs が出陣式でいった「とてつもないヤツ」(the stuff …  “off the charts”)というのがこれだとしたら心騒ぐではないか・・・

こうしてみると、iPhone に搭載された OS X というのが何者なのか俄然興味が湧いてくる。

なんだかおもしろいことになりそうだ。

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参考:

・Seeking Alpha: “Apple’s Handheld Computer Revolution” by Andrew Melcher: 26 July 2007
・Seeking Alpha: “Why Google Will Kill Node Computing” by Andrew Melcher: 09 January 2007

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コメント / トラックバック4件 to “ハンドヘルドコンピュータ革命”

  1. Macとえいちやin楽天広場 Says:

    ハンドヘルドコンピュータ革命

     こん○○は!!ホイヤーです。本日の更新は 「「iPhone」赤ちゃんでも使えるユーザインターフェースの力」と「アップルの第3四半期の業績を読み解く グラフで分かった、Macが“売れに…

  2. ノブヒョン Says:

    私の職場では今、女性の間で初めてMacを買っています。これはiPod効果ではないかと思います。Macを教えて欲しいと言われています。iPhoneが日本でも発売されればMacは爆発的に売れる可能性も考えられます。Windowsの独占状態がいつまでも続くと思っている人は幻想でしょう。諸行無常である。

  3. Top Posts « WordPress.com Says:

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  4. Says:

    私の「情報筋」によれば、残念ながらウワサのウルトラ・ポータブルとは
    iPhone のことだそうです。そうでないことを祈りたい…。

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