新しい iPod を予想する:Carl Howe

Ipodnano By Isamu

せめてこんなのが欲しい

9月5日のアップルイベントでどんな iPod が登場するか予測しきりだ。

少し前になるが[9月5日の予測記事が出る前の記事]、とてもユニークな予想がある。アップルならどうするだろうという視点から検討されているのだ。

優れたアップルウォッチャーのひとり Carl Howe の話に耳を傾けてください。

Blackfriars’ Marketing: “Predicting Apple’s new iPods: evolutionary, but borrowing from the iPhone too” by Carl Howe: 21 August 2007

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iPod を盛り上げるには

9月が近づくにつれて、2007 年のショッピングシーズンにアップルストアに並ぶのは何かというウワサで一杯だ。そこで私はマーケティングという観点から(技術的観点はさておいて)、アップルがどんな iPod のラインナップを準備して、年末商戦に臨むのかを考えてみたい。

As September looms, rumors abound on what’s going to be in Apple stores for 2007 holiday shopping. So I thought I’d take a whack on what the marketing — not technology — criteria are for Apple’s upcoming refresh of the iPod line to power Apple’s holiday sales.

アップルにとっては、今年が iPod をマーケットに投入して6年目になるということが課題のひとつだ。更に悪いことに、iPod は 2005 年以来目立ったデザイン変更がなく、一方 iPhone が話題を攫ってしまっていることだ。アップルとしては年末商戦で iPod を盛り上げるためには何をすべきだろうか。アップルの新商品は、つぎの要件を満たすことが必要だと私は思う。

One of the challenges facing the iPod this holiday season is that this will be its sixth year in the consumer market. Worse, the iPhone has stolen a lot of the iPod thunder over the last year, while the iPod has not had a significant redesign since 2005. So what does Apple have to do to create iPod excitement this holiday season? Apple’s new design must:

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3つの必須要件

1)音楽とビデオに絞って iPod 体験を強化すること

何よりもまず iPod 体験は、音楽とビデオを中心としたものでなければならない。iPhone みたいに通信が中心であってはならないのだ。ということは、丈夫で、バッテリーの持ちが長く、ディスプレイが優れていて、音質もすばらしいということだ。

• Bolster the music and video experience for iPod owners. First and foremost, the iPod experience must center on music and video, not communication as the iPhone does. That means a rugged device, long battery life, great displays, and excellent audio.

2)iPod iPhone を差別化すること

video iPod に 249 ドル払い、iPhone に 499 ドル払うことの違いが消費者にはっきりと分かり、混乱させるものであってはならない。それぞれの製品の価値がはっきり定義され、明確に異なるものでなければならない。

• Differentiate iPod from iPhone. Consumers shouldn’t be confused about whether they should spend $249 for a video iPod or $499 for an iPhone. The value of each product should be clearly defined and clearly different.

3)iPod のこれまでのマージンがこれからも確保できること

iPhone から携帯電話やラジオを除いたものを iPod として売りたいという誘惑は大きいが、それによる利益はアップルのビジネス目標を満足させるほど大きくはない。たとえば、 GSM[Global System for Mobile Communications:ヨーロッパやアジアを中心に利用されている携帯電話の事実上の世界標準、日本の通信方式とは異なる]のパーツを省いたとしても、230 ドルの部品コストからたかだか 25 ドル安くなる程度の話だ。アップルのビジネスにとっても満足いくものとなるためには、video iPod で 100 ドル、iPod nano で 75 ドル程度、部品コストが削減されることが必要だ。

• Continue delivering iPods traditionally strong margins. While it’s tempting to consider just selling an iPhone without the cell phone radios as an iPod, the profits on such a product would be insufficient to satisfy Apple’s business goals. Dropping the parts for GSM would save Apple only $25 in parts cost out of a total of $230 in iPhone parts. The parts cost needs to be more in the range of $100 for a video iPod and $75 for an iPod nano equivalent for those products to be successes for Apple’s business.

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では、新しい iPod モデルとは・・・

これら三つの要件を満たすデザインとはどんなものだろうか。9月のスペシャルイベントで私が予想する iPod のモデルとは、つぎのようなものだ。

So what types of designs would meet these criteria? Here are my takes on what we’ll see in a September special event for an iPod refresh:

1)ワイドスクリーン video iPod

新しい video iPod は 80 〜 160 GByte のディスクドライブを使用する。そして新たに iPhone の高解像度スクリーンとタッチパネルインターフェイスを備えることになる。WiFi ワイヤレスネットワーキングはないと思う。機能はなるべく簡単で分かりやすく、インターフェイスもシンプルにする。その代わり iPhone より大きい容量で音楽・ビデオ愛好家の期待に応えるだろう。これらの機能を考慮すると、ハイエンド iPod の価格は 299 ドルおよび 349 ドルとなるだろう。

• A wide-screen video iPod. Apple’s new video iPod will still rely on disk storage in 80 and 160 GByte capacities, but will gain the iPhone’s high-resolution screen and touch panel interface. I do not believe that Apple will add WiFi wireless networking to these iPods, choosing instead to keep the functions simple to understand and the interface simple, while providing music and video lovers with storage far beyond that available on an iPhone. These features will set the prices of the high-end of the iPod line at $299 and $349.

2)ビデオ機能を備えた iPod nano

iPod nano は video iPod の小型版という感じだろう。ディスプレイの横幅は本体の全部とはいかないが大部分を占める。ストレージはフラッシュだけで、それぞれ 4 および 8 GByte の容量となる。スクリーンサイズは video iPod よりはかなり小さい。さらにこの nano は現在のタッチホィールを温存して、コストを抑えるとともに、多くの iPod ユーザーが馴染んできた片手操作も維持するだろう。価格は現在と同じ 149 ドルから 249 ドルまで。

• iPod nanos with video support. The iPod nanos will look much like smaller versions of the video iPods, with displays across more (but not all) of their bodies. But these iPods will only sport flash storage in 4 and 8 GByte sizes, and their screens will be considerably smaller than the video iPod. I further expect these nanos to retain the touch wheel of today’s iPod nanos to keep costs down and to retain one-handed operation, a key attribute for many iPod users. Price points here will range from $149 to $249, just as today.

3)容量を増やした iPod shuffle

iPod のローエンドモデルは現在と同じくディスプレイ無しだ。その代わり、iTunes plus の曲を入れられるように容量を増やすだろう。2 GBytes の容量で 79 ドルだ。

• More storage in the iPod shuffle. The low end of the iPod line will continue to eschew displays, focusing instead on delivering more storage to accommodate large iTunes plus songs. Expect the iPod shuffles to now sport 2 GBytes of storage for $79.

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現行の延長線上にあるもの

私の考えでは、新しい iPod ラインナップは今日のものとさほど変わらず、機能が改良され、ユーザー体験がややよくなるという程度だと思う。また、価格設定もあまり変化ないだろう。ハイエンドモデルだけは iPhone 化する影響で少し高くなる。iPod は iPhone とは明確に差別化され、これまでと同じメリットを享受できるだろう。

My view is that Apple’s updated iPod product line largely matches that of today, just with slightly better feature sets and better user experiences. Further, pricing remains relatively constant as well, with prices actually rising slightly at the high end to accommodate trickle-down demand from the iPhone. iPods would remain clearly differentiated from the iPhone, yet would provide many of the same benefits.

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革新的ではなく発展的

私はアップルの計画に関するインサイダー情報は一切持っていない。ただ、アップルが頭のいいマーケティング会社だということは熟知している。上に述べたラインナップなら、iPhone の技術を iPod に持ち込むことができ、尚かつ、アップルとして iPod のマーケティングや製品の位置付けをさほど変えずに済む。私が考える iPod のモデルチェンジとは、現行の延長線上にある発展的な(evolutionary)もので、iPhone のように革新的な(revolutionary)ものではない。250 億ドルのビジネス経営にとって、革新的なものなんて一年にひとつあればそれで十分なのだ。

I don’t have any inside line on what Apple is actually planning here, but I do know Apple is a savvy marketer. This product lineup introduces iPhone technology into the iPod line without requiring Apple to significantly change its iPod marketing or positioning. The iPod update I’ve proposed is simply an evolutionary update, while the iPhone was a revolutionary introduction. But when you’re running a $25 billion business, one revolution a year is probably enough.

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アップルとしては技術的にこんなことが出来る筈だとか、こんなものを出して欲しいと、つい考えてしまい勝ちだ。

Carl Howe のようなマーケティングの観点からの予想も傾聴に値するのではないだろうか。

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コメント / トラックバック4件 to “新しい iPod を予想する:Carl Howe”

  1. AppleStyle@所長 Says:

    シローさま
    カフェ(Café)にご来店ありがとうございました。^ ^
    「maclalala」の興味深い記事を参考に、これからも不揃いの林檎をコツコツとつくって行きたいとおもっています。どうぞよろしくお願いいたします。

  2. shiro Says:

    > AppleStyle@所長 さん
    ご丁寧なご挨拶で 恐縮です
    こちらこそ どうぞよろしくお願いいたします

    考えてみれば マック系ブログ(もちろんそれだけではありませんが)に精通した  AppleStyle@所長さんご自身のブログがなかったなんて 不思議な気がします
    (確か 以前にはあったと思いますが・・・)

    夢のマックのデザインを手がけ たくさんのブログを読まれるのですから きっと AppleStyle@所長さんがお考えになることも 多々あるのではないかと拝察します

    カフェには 「新種林檎」だけでなく そんな所長さんならではの思いも エントリーされるのではないかと想像します

    これから 楽しみに読ませていただくつもりです

    重ねて ありがとうございました

  3. Macとえいちやin楽天広場 Says:

    若き日のジョブズとウォズ、LEGOで再現

     こん○○は!!ホイヤーです。本日の更新は 「TidBITS日本語版最新号TidBITS#893,20-Aug」と「若き日のジョブズとウォズ、LEGOで再現」他をご案内いたします。○アンクル・ホイヤーの独り言…

  4. Arageo Says:

    いつもたのしく拝見しています。
    次期iPodの発表間近とのこと。Carl Howeの予想はみごとですね。
    今回なにが面白いかというと、多くのユーザーが待ち望んでいるのは、”Phoneless iPhone”なのにおそらくそうはならないであろうというところです。”Phoneless iPhone”ではiPhoneのマーケットを食ってしまう。しかし今のiPodのデザインや色を少々変更するくらいでは訴求力がない。Appleがどんな手でくるかーーーわくわくすると同時に少々心配です。ここでしくじるとiPodの快進撃は終わるかもしれない。そうすると負の波及効果がマックにも及ぶかもしれない。これは難局ーーーやはり”Wirelessless iPhone”というところに落ち着くのでしょうか。
    一方、”Phoneless iPhone”がAppleにとって禁じ手とすれば、SonyやMicrosoftにとっては、千載一遇のチャンスではないのかーーーとも思う。

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