Leopard は マイナーなアップデート

Leopardcountdown

Leopard の正式リリース[Appleアップル]が10月26日に決まって大いに盛り上がっているが、ウインドウズ・ガイでマック・ウォッチャーでもある Paul Thurrott が、大変刺激的な記事を書いている。

WinInfo: “Apple Set to Launch Next-Gen OS” by Paul Thurrott: 16 October 2007

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Vista から一年遅れのマイナーアップデート

出荷が遅れたり、一年前に約束したエキサイティングな「秘密」機能もなかったりで、御難続きの次世代マック OS(コード名 Leopard)が、10月26日に正式公開されることが明らかになった。Leopard はアップル OS X の5回目のマイナーアップデートとなる。しかも、この出荷は、アップルがことあるごとにその遅れをからかってきたウインドウズ Vista からちょうど一年遅れての出荷だ。

Plagued by delays and missing any of the exciting “secret” features promised a year ago, Apple’s next-generation Mac OS X operating system, codenamed Leopard, will be released to the public on October 26, the company announced. Leopard is the fifth minor revision to the company’s OS X system, and it is shipping almost exactly a year after Windows Vista, an OS that Apple incessantly ridiculed for its tardiness.

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300を超える新機能の中味

そうなんだ。クパチーノでは現実が歪曲しているのだ。もっとその証拠が欲しいというのなら、「Leopard は300以上の新機能満載で、まったく新しいデスクトップを導入」という公式発表の文句を見てみればいい。この300の新機能なるものの大部分はこっけいな代物だ。そのうち10はデベロッパツールの Xcode にはいっているものだ。(全部で40を超える新機能なるものはもっぱらデベロッパ向けだ。)6つの新機能は、本当のところスクリーンセイバーの類いだ。完全に24はインスタントメッセージソフトの iChat にしか存在しない。新しいものとして、フォントの新機能が6つ、Quick Look の機能が3つ(Quick Look 自体は不思議なことに新機能のひとつなのだが)、UNIX の新機能が12はある。

Yep, reality really is distorted in Cupertino. And if you’re looking for even more proof, consider the way that Apple hawks this system. “Leopard is packed with more than 300 new features and introduces a brand new desktop,” the official announcement reads. Many of these 300 new features are, of course, comical. 10 of them exist in Xcode, a developer tool (in total, over 40 of the new features are only for developers). Six new features are, seriously, listed under the screensavers category. Fully 24 of them exist in iChat, Apple’s instant messaging application. There are 6 new fonts features, 3 new Quick Look features (though Quick Look is itself, go figure, actually a new feature) and 12 new UNIX features.

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改善点のいくつか・・・

クスクス笑いをちょとやめてくれれば、確かに Leopard にはいくつかのマイナーな、だがよく目立つ改善点がある。Time Machine と呼ばれる新機能がそのひとつだ。これはマイクロソフトが 2003 年に初めて出したものをより見栄えよく仕上げたもので、ファイルの古いバージョンを復元できる。また、Spaces と呼ばれる機能は、これまた UNIX に古くからある workspaces という機能を、アップル流にエレガントにしたものだ。また、Leopard はウインドウズ Vista とのデューアルブートを可能にする。これがひょっとすると一番人気の機能になるかもしれない。

If you can stop chuckling for a moment, Leopard does include a few minor but notable improvements. A new feature called Time Machine, a prettier version of the Previous Versions feature Microsoft first shipped in 2003, allows users to resuscitate previous versions of files. A new feature called Spaces allows users to utilize a years-old UNIX feature called workspaces in typically elegant Apple fashion. And Leopard can dual-boot with Windows Vista, a feature that might prove to be the system’s most popular.

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Leopard は見劣りがする

ほかにもアップルお薦めのマイナーな改善点としては、少しだけ新しくなったシェルやデスクトップ、少しだけ改善されたEメールやウェブブラウザ、マイクロソフトが Vista に加えたものによく似たパレンタル・コントロールなどがある。要すれば、競争相手の OS と比べても、また Steve Jobs が約束したメジャーな新しい秘密機能という意味でも、Leopard は非常に見劣りがするように思える。いずれもこれらの点は今まで実現しなかったものだ。

Apple is pushing other minor improvements like a slightly-updated shell and desktop, minor revisions to the system’s email and Web browsing applications, and new parental controls that more closely mirror what Microsoft added to Vista. In short, Leopard appears to seriously under-deliver compared to both the competition to what CEO Steve Jobs promised would be major secret new features. None of these have ever materialized.

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サーバー用 OS も・・・

またこれに関連して、アップルは Mac OS X Server の Leopard バージョンも発表した。こっちの新機能は250ぽっきりだ。ということはクライアント OS に比べても17%は面白みに欠けるということになる。

In related news, Apple also announced the Leopard version of Mac OS X Server. This one boasts only 250 new features, so it’s presumably 17 percent less interesting than the client OS.

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どうやら Paul Thurrott は、本気で水をかけるつもりらしい・・・

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コメント / トラックバック13件 to “Leopard は マイナーなアップデート”

  1. hiro Says:

    いやはや(汗)
    まあWindows陣営な人からみれば当然の反応なのかもしれないですね。

    しかし、これをVistaに置き換えても話は成り立ちますよね。
    ユーザーインターフェースがAeroになって、アイコンがよりリッチな表現力を身につけ・・・
    って、それだけだしマイナーアップデートでしかないよねw と書いているのと同じことです(汗)

    多分このような反論をしてくるのでしょう、この人は。
    ・いやいや、例えば3DやアニメーションをUIやアプリに加えるWPFがあるだろ? これはね・・・
    ・アカウント制御のUACの実装でセキュリティーが強化されて・・・
    ・より高速で賢い検索機能が・・・
    ・仮想メモリにも新しい機能があってだな・・・
    ・まだまだ沢山あってだな、これがマイナーなんてとんでも・・・
    などなど。

    というように、いくらでもツッコミを入れることが出来るわけですが、
    それはLeopardでも全く同じこと。といっても、Macに関してあまり知識を持たない人にとって、
    このような記事は実に有効であるのも事実。この記事を読んで得意げにみんなに解説しちゃう
    人も出るのでしょうね(汗) う~ん。

  2. Mac Susuki Says:

    はじめまして。いつも興味深く拝見しています。

    ところで、LeopardのTop Secretとは何なのでしょうか?
    ガラス張りiMacに隠された秘密 … マルチタッチ対応! とか。
    実現すれば、アラン・ケイのダイナブックに一歩近付きますね。

  3. 5628 Says:

    ははは、たしかにマイナーだね。小数点以下がひとつふえるだけですもんね。(^^)

    Mac ユーザは、「Mac OS X 10.」までが OS名で、次の数字がリリースナンバーだって知ってるけど、この方にとっては知ったこっちゃないよね。

  4. TORIO Says:

    私はVistaも使っていますが、これはマイナー中のマイナーですね。その証拠に多くのWindowsユーザーがXPから離れませんよね。検索機能もスポットライトに比べれば話にならない。ウインドウの切り替えもエクスポゼに比べれば使い勝って悪い。あってもなくても同じ。いま、仮想化ソフトが使える。XPに戻ろうと真剣に考えています。それになによりもMS社のソフトは高すぎる。トップシークレットはよく分からないが、これは使用してみないと分からないでしょう。Apple一流のやり方もありますから。

  5. せう Says:

    >TORIOさん
    >私はVistaも使っていますが、これはマイナー中のマイナー

    自分はVistaはWindows 2000以来のきちんとした「メジャー」アップデートだと思いますよ。SuperFetchやAeroは使い込まないと真価は分かりませんが、カーネルそのものが変化しないと実装できなかった機能ですし。XPでも、Aero「もどき」を実現する機能がありますが、あくまで基本はCPUに依存した描画をせざるを得ないわけですし。

    >ウインドウの切り替えもエクスポゼに比べれば使い勝って悪い
    見方によっては、マルチディスプレイ環境だと、自分はフリップ3Dの方が使い勝手が良いと思いますよ。すべてのウィンドウがプライマリディスプレイに集合してくれるので。

    新しいマシンで(最近のIntel MacのBoot Camp環境を含めて)XPを入れようとする人は、ハードの宝の持ち腐れだと思いますよ。Aeroの描画に慣れると、XPまで、あるいは「Vistaスタンダード」・クラシック描画に耐えられなくなる… 重くて重くて…

    話が違うので、Leopardの話をすると、Time Machineは何故外付けHDD必須にしたんでしょうか…? ノートPCユーザーからすると、外付けHDDが無い環境でもきちんとバックアップがとれるVista Business/Enterprise/Ultimateの方が有り難いんですが…

    と、言うかLeopardのサプライズが、ブートボリュームのHDDでもTime Machineが使える事、というのをものすごく期待しているのですが、果たして…

  6. せうの日記 Says:

    Time Machine考

    自分は、WindowsにあってMac OS Xに無い機能の筆頭として挙げられるのが「システムの復元」機能だと思っています。しかしながら、来週金曜日リリースのMac OS X 10.5(Leopard)で、いよいよ、「…

  7. POPOP Says:

    Apple一流(笑)

  8. Winner Says:

    仕事ではXP, Vista, MacOS X 10.4.10を使っていますが、メインにしてるのはMacOS X 10.4.10とその上で同時に動かしているXPです。他にはXP機がサブメイン。本当はリプレイスするつもりで購入したVista機は、導入して数ヶ月経ちますがいまだに評価機です。安定しないし、アプリの対応も遅いし、社内システムもVistaは対象外という何重苦がある上に、まったくもって使い難い。新機能も有り難みがないものばかり。ということでいつになっても評価用として放ってます。使い込む気であればOSをXPに入れ替えますがVista向けに設計されたPCなのでXPに入れ替えると多少の不都合も出るとか聞いてます。
    一方のLeopardですが、たぶんほぼ躊躇なくメインマシンに導入予定です。決定的な不都合がなければですが。そういう意味で『マイナーアップデート』であったほうがビジネスユーザには有り難いように思います(笑い)。LeopardにしてもparallelsでXPも使い続けると思います。

  9. hiro Says:

    >せうさん
    >話が違うので、Leopardの話をすると、Time Machineは
    >何故外付けHDD必須にしたんでしょうか…?
    まあそれに関しては賛否はあるでしょうね。
    個人的には常に外付けHDDでのバックアップをオススメしますが、ノート型では常に繋げていることは現実的ではないのに、なぜ外付けHDDなのだ?という疑問ですよね。

    たしかに外付けHDDは必要ですが、これはノート型Macでも機能します。FSEventという機能らしいですが、常にシステムの変更をOSが記録していて、HDDに繋げる度に、変更を反映したバックアップをするという仕組みです。つまり、HDDを繋げている時に限り、その変更だけがバックアップされるということではないようです。(技術的に詳しく説明している記事が↓で翻訳してくれてます)
    >AppleInsider: Mac OS X Leopard に向かって: Time Machine
    http://d.hatena.ne.jp/silvervine/20071016/1192510434

    >いつでも準備OK(こちらがApple公式の記述。ノートに対応していると明記されてます)
    >ノートタイプのMacをバックアップドライブにつないだ場合も、Time Machineはきちんと機能します。つないでいない時も、同じように機能してくれます。最後のバックアップ後に変更されたファイルを追跡してバックアップし、次にバックアップドライブが接続された時に、ファイルをドライブにコピーします。どのMacでも、Time Machineがバックアップを実行できない場合は、Time Machine環境設定にしっかりと表示されます。
    http://www.apple.com/jp/macosx/features/timemachine.html

  10. Arageo Says:

    >マイナーアップデートであったほうがビジネスユーザには有り難いように思います。
    同感です。
    実のところ、Mac userの価値観は変わってきていると思う: 伊集院光が言っていましたが、10年前のマックの雑誌を見ると”いつかは(悪の枢軸?)Windowsを駆逐してマック帝国を築こう”みたいなことが書いてあったのに、いまでは”Windowが動くなんてスゴい”とかいう記事ばかりで本末転倒だと(笑)。したがって、今日日、LeopardがXP/Vistaよりどれだけ優れているか(劣っているか)などという議論は余り意味がないかもしれません。むしろ、OSXというものが、もう十分に成熟したからこそマイナーチェンジで十分なのだということではないでしょうか。クルマだって、ガソリン車に限ればもう進化の余地がなくて、現在のすべての新車がマイナーチェンジに思えますーーーそういうときこそ、スペックより道具としての安定性とかtasteというものが大事になるものだと思う。

  11. TORIO Says:

    マイナーかメジャーかというのは所詮ユーザーから見れば、主観的なものだと思います。
    不毛な議論かも知れません。

    Apple一流は根拠があって書いたことです。それは前にもコメントしたと思いますが、NDA(Non Disclosure Agreement:秘密保持契約が存在していることです。
    これはまだ解かれてないようです。

  12. Winner Says:

    > マルチディスプレイ環境だと、自分はフリップ3Dの方が使い勝手が良いと思いますよ。
    > すべてのウィンドウがプライマリディスプレイに集合してくれるので。

    いろいろな使い方があるんですね。自分もマルチディスプレイですが、このアプリはどっちのディスプレイ、このウィンドウはこっちのディスプレイで開くと決めているので、それぞれのディスプレイごとにウィンドウが寄ってくれるMacOSのエクスポゼは何てアタマがいいんだ、Vistaのフリップ3Dも全然使えないって思ってます。

    フリップ3Dが使いやすいって人もいるんですねえ。ちょっと意外でした。

  13.   Says:

    その英文記事に反駁するならば、Quick Look だけでも Major と言い張れる価値があるかと。Exposé以来のお気に入り。Finderも前より遣い勝手が向上、インストーラのレシートなど積極的にSQLite DBを使う箇所が増えたようにおもえます。
    AFPの細かな設定などシステム設定も柔軟かつ豊富になりました。こういう細かい改善がアップルらしくて、個人的には嬉しい限り。

    Time Machineは、リスク分散の爲にHDDを分けるということでしょうかね。
    AirPort DiskだとかMacbook Airあたりが、無線でどうにかしますよというアップルの答え、否さ其れともHDD分割(新しく増えた機能。Boot Campからの流用?)すると、できるのだろうか。むむむ。

    フリップ3Dは正直、下が隠れちゃうからExposéの発想からは駄目。
    Exposéはウィンドウの位置から自動計算して配置するから、何となくだけど、使いやすい気がする。

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