スタートアップへの福音:Sequoia Capital

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シリコンバレー[に限らないが]のスタートアップ企業にとって大切なことは何だろうか。

スタートアップを考える起業家にとって二つの文書が必読だと Michael Arrington がいっている。「アリーナの男」[前出]と「持続可能な企業の条件」の二つだ。

TechCrunch: “Sequoia’s Gospel of Startups More True Than Ever” by Michael Arrington: 20 March 2008

TechCrunch Japanese: “Sequoia Capitalが説くスタートアップへの福音“: 21 March 2008[Namekawa, U 訳]

後者は、ベンチャーキャピタルの雄 Sequoia Capital が手を差し伸べたいと考えるスタートアップの条件だ。

Apple、Google、Yahoo、Cisco Systems、Oracle、PayPal、YouTube など、錚々たる企業を育てたベンチャーキャピタルならではの目の付けどころが実に興味深い。

Sequoia Capital: “Share Your Business Idea: Elements of Sustainable Companies“: n.d.

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持続可能な企業の条件

Elements of Sustainable Companies

下に示すような特長を備えたスタートアップは多くの場合ビジネスを成功させ、維持可能な安定した企業となることが知られている。われわれはこういった企業とパートナーとなることを望んでいる。[以下、Namekawa, U 訳]

Start-ups with these characteristics often foretells the success of a business and the likelihood of it becoming a sustainable, enduring company. We like to partner with companies that have:

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1)明快な目標(Clarity of Purpose

会社のビジネスを名刺の裏に書けるくらいに簡単に要約せよ。

Summarize the company’s business on the back of a business card.

2)大きな市場(Large Markets

急成長や変化が見込まれる既存の市場をターゲットにせよ。潜在的に$1B(10億ドル)の規模がある市場ならエラーをしても取り返せるし、成長の余地が大きい。

Address existing markets poised for rapid growth or change. A market on the path to a $1B potential allows for error and time for real margins to develop.

3)リッチな顧客(Rich Customers

変化に率先して対応し、ユニークなサービスにはプレミア料金を払うような顧客をターゲットにせよ。

Target customers who will move fast and pay a premium for a unique offering.

4)集中(Focus

顧客は「はっきり一つのことについて価値があるシンプルなサービス」に金を払うものだ。

Customers will only buy a simple product with a singular value proposition.

5)飴玉(Pain Killers

i顧客にとって焦眉の重要課題を取り上げ、説得力ある解決策を提示して喜ばせよ。

Pick the one thing that is of burning importance to the customer then delight them with a compelling solution.

6)独創性(Think Differently

常に常識に挑戦せよ。裏道を探せ。新しい解決法を提示せよ。ライバルを出し抜け。

Constantly challenge conventional wisdom. Take the contrarian route. Create novel solutions. Outwit the competition.

7)チームのDNATeam DNA

会社のDNAは最初の90日で決まる。すべてのチームメンバーに最良、最優秀な人間を充てよ。Aクラスのファウンダーの下にはAクラスのチームが集まる。

A company’s DNA is set in the first 90 days. All team members are the smartest or most clever in their domain. “A” level founders attract an “A” level team.

8)アジリティー(Agility

ステルスとスピードがあれば大企業をやっつけることができる

Stealth and speed will usually help beat-out large companies.

9)倹約(Frugality

金は本当に重要なことだけに使え。金の使途には収益を最大にするよう優先順位をつけよ。

Focus spending on what’s critical. Spend only on the priorities and maximize profitability.

10)猛火(Inferno

少い資金でスタートせよ。規律と集中力が養われる。優秀な技術者による優れた製品を待ち望んでいる巨大な市場には簡単に火がつく。

Start with only a little money. It forces discipline and focus. A huge market with customers yearning for a product developed by great engineers requires very little firepower.

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なんとも具体的なところがおもしろい。

大きなマーケット(2)、リッチな顧客(3)、チームの DNA(7)、節約(9)、劫火(10)などが個人的にはおもしろかった。マックにプレミアム料金を払うことを厭わないマックユーザーはさしずめ「リッチな顧客」というところか・・・

やる気のある人間を集める、ムダなカネは使わないなど、スタートアップ企業以外でも参考になりそうだ。

先日紹介した Jason Calacanis の記事(シリコンバレーのスタートアップ企業で働くとは・・・)をきっかけに、スタートアップ企業のあり方が大きな話題となっている。

議論の視点も、スタートアップで働く側から、スタートアップを起こす側、さらにはスタートアップに資金を提供するベンチャーキャピタルへと大きく膨らんできており、その意味でも興味深い。

哲学論議に終わらず具体的なところはさすがアメリカか・・・

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コメント / トラックバック5件 to “スタートアップへの福音:Sequoia Capital”

  1. TORIO Says:

    なぜ私が勤めている会社は基幹システムにOracleを選ばなかったのだろうか。

    当初からの疑問でした。

  2. Macとえいちやin楽天広場 Says:

    世界最速はダテじゃない?Safari3.1を検証する・・他。

     こん○○は!!ホイヤーです。本日の更新は 「「iPhoneはビジネスに十分対応」米Gartnerのお墨付き」と 「スタートアップへの福音:SequoiaCapital」と「世界最速はダテじゃない?Safari3.1を検…

  3. うに Says:

    こんにちは
    無事にスタートアップし、そこから大きくなる要素を探していました。
    参考にさせて頂きます。
    それでは今日もお元気で!(なちこ風)

  4. shiro Says:

    > うに さん
    スタートアップ おめでとうございます
    起業の様子を 教えていただく時がくるのを 楽しみにしています

  5. 持続可能な事業の条件とは? | リブモア・インターナショナル・インク Says:

    […] 藤シローさんのMaclalalaで取り上げられたものや TechCrunch のものがあります […]

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