It’s Gonna Happen:偶然だぞ

Its Gonna Happen

It’s Gonna Happen

はしなくも Google 機械翻訳の実力が全世界に喧伝(けんでん)されてしまったようだ。

鮮烈のデビューを果たした福留孝介選手のホームランを「偶然だぞ」のポスターカードが見舞った。

カブズの地元紙シカゴトリビューンは次のように伝えている。

Chicago Tribune: “Fukudome debut spoiled by Cubs’ loss to Brewers” by Paul Sullivan : 31 March 2008

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Fukudome

Kosuke Fukudome hit a three-run homer | Phil Velasquez

月曜日のシーズン開幕戦、9回裏に福留孝介はミルウォーキーの切り札エリック・ガニエ投手から3点本塁打を奪った。リグリー球場のファンは総立ちで日本語と英語が両面に記されたサインボードを振りかざした。

When Kosuke Fukudome hit a three-run homer off Milwaukee closer Eric Gagne to tie the season opener in the bottom of the ninth inning Monday, fans all over Wrigley Field held up professionally made signs with English words on one side and Japanese on the other.

Cubs Fans

Cubs’ fans | Phil Velasquez

表が「It’s Gonna Happen.」、裏が同じ意味の日本語のはずだった。が、どこで間違えたのか「It’s An Accident.」(偶然だぞ)という意味の日本語になっていた。

It was meant to be a two-sided version of the phrase “It’s Gonna Happen.” But something got lost in translation, and the Japanese side read: “It’s An Accident.”

福留のすばらしい活躍は決して偶然などではなかった。しかし折角の活躍も、延長10回表に Tony Gwynn Jr. が Bob Howry に犠牲フライを放ってブルワースを4対3の勝利に導いたことで、長い、びしょぬれの夕方で幕を閉じた。

Fukudome’s heroics were no accident, but they wound up going to waste when Tony Gwynn Jr. hit a sacrifice fly off Bob Howry in the 10th to lift the Brewers to a 4-3 victory on a long, soggy afternoon.

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「It’s Gonna Happen」は、どうやらここぞというときにカブズファンが好んで使うフレーズらしい。「来るぞ、くるぞ、チャンスだぞ」ぐらいの意味のようだ。

それを「(まぐれだぞ、)偶然だぞ」とした翻訳ミスは中継画像を通じて多くにひとの目に触れることとなった。

YouTube Video | 福留孝介に対して「偶然だぞ」

もっとも当人は、「『偶然だぞ』ボードはちょっと笑ってしまいました(^_^;)」と、落ち着いたものだ。[福留孝介オフィシャルウェブサイト

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このミスがグーグルの機械翻訳のせいだと知って複雑な気持ちになった。

いくつか翻訳エンジンを試した中山隆氏の話では、「それは起こりそうです」とおおむね無難な訳になるのに、グーグルだけが苦笑をさそう「エンターテインメント路線を行く」結果になるのだそうだ。

横浜逍遙亭: “「偶然だぞ」でちょっと遊んだ“: 10 April 2008

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明らかにグーグルだけが突出しているのだが、なぜそうなるのか不思議で仕方なかった。

そのヒントを与えてくれたサイトがある。

iKnow!: “Lost In Translation” by cinnabar: 03 April 2008

この誤訳の原因は、グーグルが「happen」ということばを間違えて理解したことにあると思う。

I think this mis-translation is caused by the Google’s misunderstanding the word “happen” .

この「happen」という語は名詞ではなく動詞であるべきなのだ。

This “happen” is not the noun, but the verb.

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グーグルでも、「It’s going to happen」と入力すると、「それが起こるのだろう」と一応ちゃんと翻訳される。問題が生じるのは「It’s gonna happen」のときだけなのだ。

どうやら「It is +(名詞)」という構文として理解し、happen =「偶然」、gonna =「だぞ」というボキャブラリーを充てているらしいのだ。

一体全体どうしてこんなことになるのか、是非とも機械翻訳の専門家に解析していただきたいと思う。

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機械翻訳を使えばボタンひとつで簡単に英訳できると思い勝ちだ。

英語の文章を書くのは日本人にとってなかなかの難行だ。

自分のエントリー(あるいはサイト自体)がボタンひとつで英語化できるならこんなありがたいことはない。英語世界への情報発信もぐんと楽になる。

しかし現実にはグーグルの機械翻訳の実力がどの程度のものか、みんなの知ってのとおりだ。

例えば、シカゴトリビューンの冒頭の記事をグーグルにかけると、結果はつぎのようになる。

[原文]It was meant to be a two-sided version of the phrase “It’s Gonna Happen.” But something got lost in translation, and the Japanese side read: “It’s An Accident.”

[訳例]意図されていたバージョンの二つの側面がある”という言葉を勝ち取るまで起こる”と述べた。しかし、何かが失われてしまった訳では、日本側との読み:”これは事故だ。”

これでは理解しろという方がムリで、訳例にあるとおりまさに「これは事故だ」!

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自分の書いたエントリーがグーグルの機械翻訳でどのように変容するかテストしてみるのも一興だろう。

自分のエントリーを日本語から英語に「翻訳」し、その結果を英語から日本語へ「再翻訳」して最初のエントリー比べるのだ。

「これじゃ事故だ!」という結果にならないことを切に祈ろう。

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こうしてみるとグーグル機械翻訳を自分に使う決心はなかなかつかない。

数多あるブログの中から自分のブログに目を留めてもらうのは、日本語世界のみならず英語世界でも至難の業だ。

たまたま目を留めてもらっても、その出来がひどいものなら、一度は来てくれた読者も二度と戻ってこないだろう。

日本語と英語に関するかぎり、自分のサイトをグーグルで英語化するには相当な勇気が要りそうだ。

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