新しい時代の働き方

Telecommute-1

Telecommuting

WWDC 基調講演は完売だそうだ。

しかし誰もがみな Steve Jobs のようにプレゼン上手というわけではない。

マーケティングの達人でベストセラー作家の Seth Godin が、プレゼンについて心すべきことを説いている。

Seth’s Blog: “The new standard for meetings and conferences” by Seth Godin: 19 May 2008

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プレゼン当事者が心得べきこと

プレゼンターが原稿を読み、箇条書き(bullet points)のスライドを見せる・・・それが立派なプレゼンテーションだなどと考えているならあなたは間違っている。あるいはまた、出席者が他の出席者と交流する時間がほとんどなかったり、もっとひどい場合は、他のひとと交流したいという気を起こさせないようなら、それも間違っている。

If you think a great conference is one where the presenters read a script while showing the audience bullet points, you’re wrong. Or if you leave little time for attendees to engage with others, or worse, if you don’t provide the levers to make it more likely that others will engage with each other, you’re wrong as well.

セールスコールに来るひとは、相手につぎのようなことを期待している。準備ができていて、話も絞られ、熱心で、次に話を進める気があること。もしそうでないのなら、会ったりなんかすべきではない。

Here’s what someone expects if they come to see you on an in-person sales call: that you’ll be prepared, focused, enthusiastic and willing to engage honestly about the next steps. If you can’t do that, don’t have the meeting.

同様に、直接話を聞くためにわざわざやって来た聴衆に対して、スピーカーは原稿を読めば分かること以上のものを与える義務がある。プレゼンテーションのオーガナイザーも、出席者に対して、サプライズや、いろんな考え、ドラマ、相手への関わり、持ち帰るべき土産、それにできれば刺激といったものを与える義務があるのだ。

Here’s what a speaker owes an audience that travels to engage in person: more than they could get by just reading the transcript.And here’s what a conference organizer owes the attendees: surprise, juxtaposition, drama, engagement, souvenirs and just possibly, excitement.

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また、職場で働くことの意味についても、Seth Godin はつぎのように述べる。

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家にいる方がまし

たくさんの間仕切りオフィスで働く、たくさんの社員がいる大きな会社で三度も仕事をしたことがある。終日あちこち歩き回って過ごしたものだ。それが仕事だと思っていた。席に座ったまま仕事らしくみえることをやっていたのは、仕事が一番はかどっていないときだった。わざわざオフィスまで来させて、間仕切りの中に座らせ、タイプさせるなんて、なんでそんなことをするのかサッパリ分からなかった。

I’ve worked in three companies that had lots of people and lots of cubes, and I spent the entire day walking around. I figured that was my job. The days where I sat down and did what looked like work were my least effective days. It’s hard for me to see why you’d bother having someone come all the way to an office just to sit in a cube and type.

人とじかに顔を突き合わせるために時間とカネをかけているのなら、ちゃんとそうすべきだ。そうできないのなら、家にいた方がましだ!

The new rule seems to be that if you’re going to spend the time and the money to see someone face to face, be in their face. Interact or stay home!

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この話を紹介した Carl Howe は、Seth Godin に同意を示しつつも、別の視点から在宅勤務の難しさについて指摘する。

Yankee Group Blog: “The new standards for experiences somewhere and Anywhere” by Carl Howe: 19 May 2008

在宅勤務という新しい時代の働き方は、孤立して、一方通行で、「パジャマを着ていてもかまわない」(I-can-do-this-in-my-pajamas)環境での仕事で、そこにはみんなが気付かない難しさがあるというのだ。

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在宅勤務の難しさ

今日の在宅勤務は、オフィスで仕事をするのに比べてはるかに難しいというのが本当のところだ。もちろんどこからでもインターネットに繋がる環境はますます整備されつつあるが、電話会議で質問しようとしたり、ビデオ会議での討論に苦労し、共通のポータルである Sharepoint サーバで悪戦苦闘するのに比べれば、実際に顔と顔を突き合わせ、チームで作業しながら価値を生み出す方がはるかにやさしいのだ。

The truth of the matter is that today, working from Anywhere is much harder than working in an office. Despite the wonders of ever-increasing ubiquitous connectivity, most of us are still a whole lot better at creating value as a team when we can interact face to face rather than asking questions during conference calls, struggling to discuss a topic over a videoconference, or fighting through a Sharepoint server.

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たかだか10年の知恵だ

人類が村の広場でたき火を囲んで何世代にもわたって培(つちか)ってきたやり方に頼るほうが、たかだか10年しか経っていない[インターネットの]やり方よりはるかに容易だ。新しく学習したスキルを使って、遠く離れていても眼前に相対している(in person)のと同じような効果を得るためには、意識的な努力と強固な決意が必要なのだ。

It’s always easier to draw on the tools we humans learned from generations sitting around the communal fire than on ones that only have arrived on the scene in the last decade. It takes conscious effort, newly learned skills, and dogged determination to have the same impact at a distance as we might have in person.

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在宅でも仕事ができるインターネット環境は緒(ちょ)に就(つ)いたばかりなのだ。

・・・ところで、この話を紹介するとしたら、Seth Godin の記事かそれとも Carl Howe の記事か。

丸ごとを避け、ポイントを絞って要約するにはどうしたらいいか。

ベストセラー作家や複眼思考の達人が相手となるととてもむずかしい。

試行錯誤はなかなか尽きない・・・

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コメント / トラックバック2件 to “新しい時代の働き方”

  1. TORIO Says:

    再開 お目出度うございます。

    考えさせられることが多いです。私も今後、在宅勤務の可能性はあります。(パソコンを使った仕事だけではありませんが)

    プレゼンについては、この記事の主題からは外れますが、会社では個人課題というのがあり、年2回プレゼンをやっています。
    今は専らMac OSがどのように仕事で役に立っているかをWindows環境の会社で認識してもらうことに主眼を置いてやっています。

    話は変わりますが、間もなくWWDCです。今年はiPhone 2.0やMac OS 10.5.3がどのような変化を遂げるか注目されています。期待が膨らむ時です。
    シロー氏の情報を待ちわびている一人です。今後とも継続されることを期待しています。

  2. beta mac Says:

    shiroさん、面白い記事をありがとうございます。

    実を言うと私自身、一ヶ月のうち会社勤務と在宅勤務が半分ずつくらいでしょうか。
    自分自身がおそらく少し変わった職業に就いているということと、家から会社まで
    片道約2時間半かかる関係もありまして、それなら往復の5時間がもったいないと
    いうことで在宅勤務することが多く、出勤した際は会社で仕事の進捗状況をお互い
    確認したり、今後の方向性の打ち合わせをすることがほとんどです。

    どちらが良いかと言われると人に依ると思いますが、今は在宅勤務で少し効率的になったのでは
    ないかと個人的には感じています。気持ちの余裕というのがけっこう影響してたかも知れません。
    くだらない内容ですみませんが(^^;

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