これが自家製マック Frankenmac だ!

Frankenmac

これが自家製マック Frankenmac

Psystar はどうやら怪しげな気配になっているようだ。

ところがクローンマックの話は思わぬところへ飛び火した。なんとマックワールド誌の Rob Griffiths がやってのけたのだ。

市販の PC パーツから Mac OS X が動く自家製マックを組み立ててしまった!

Macworld: “Frankenmac! What’s in a Mac clone?” by Rob Griffiths: 18 April 2008

マックワールド誌の編集者で、常々「中クラスの Mac minitower」を渇望していた Rob Griffiths は、次のようにいう。

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待ちくたびれた

モニター一体型のマシンは欲しいとは思わないし必要もない。8コア Mac Pro のパワーも必要ない。しかしミニより速くて拡張性のあるマシンなら欲しい。

I don’t want or need a machine with a built-in monitor, I don’t need the power of an eight-core Mac Pro, but I’d like my Mac to be faster and more expandable than a mini. […]

しかし私のドリームマシンが出るのを待つのはもう待ちくたびれた。そこで自分の手で組み立てようと決心した。かくて OS X が動く自分のマシンを組み立てることになった。

Tired of waiting and hoping for the Mac of my dreams to appear, I decided to take the technology into my own hands and build it myself. And thus began my experiment to assemble my very own OS X-running machine.

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PC パーツを集める

かくて、1000 ドルの範囲内で自家製マックを組み立てるプロジェクトに取りかかる。

Windows Vista が動く PC パーツで、かつ Mac OS X も動くパーツを集めるのが最初の仕事だ。

Franken Parts

マザーボードは Asus P5K-E、CPU は Intel Q6600 Core 2 Quad(2.4GHz)。モニターやキーボードを除いて、集めたパーツは 980 ドルになった。

ハードそのものの組み立てはやさしかった。

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OS X のインストールは大変だ

次にこの PC に Vista をインストールした。ちゃんと動く。それからが事だった。ちゃんと OS X が動くようにするのに何時間もかかった。やることは簡単なのだが、その手間や BIOS 設定が込み入っていた。同じドライブから Windows と OS X を動かすには、いくつもの難題を片付けねばならなかった。何時間もかけて、説明書を読み、組み立てては分解し、うめき声をあげ、インストール、アンインストール、再インストールを繰り返し、悪態をつき、みんなを困らせる。とても楽しいどころではなかったが、それでもなんとかすべてを終えることが出来た。私のマシンはちゃんと動いた。Windows Vista にでも Mac OS X 10.5.2 にでも、どちらにでも起動することができた。

Next, I installed Vista on the PC, just to be sure everything worked. From there, it then took many more hours to get OS X working right—while the process is relatively straightforward, there are a lot of steps involved, and BIOS settings to tweak. If you want to run Windows and OS X on the same drive, there are more hoops to jump through to get it all working. But after many hours of reading, assembling, disassembling, screaming, installing, uninstalling, reinstalling, saying bad words, pestering friends, and generally not having very much fun, I was done: my machine was up and running, and capable of booting into either Windows Vista or Mac OS X 10.5.2.

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Frankenmac

出来上がった自家製マックは Frankenmac[注:フランケンシュタインから]と名付けられた。

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テキストベースのブートローダ

起動中にこのマシンの前に座っていると、 BIOS のロードスクリーンになり、テキストベースのブートローダ(ここで Vista にするか OS X にするかを選択する)になる。それが普通のマックとは異なるところで、試供品のサンプルみたいだ。

And if you happen to be sitting in front of it when it starts up, the BIOS loading screen and black-and-white text-based boot loader (which lets me choose between Vista and OS X) is a dead giveaway that this is not your normal Mac.

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Frankenmac の本体を隠してモニターだけを見ていると、まったく普通のマックと変わらない。

しかし「この Mac について」ダイアログを見ると、「プロセッサ不明」(”unknown” processor)と表示される。

Aboutthismac

“unknown” processor

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性能は・・・

Rob Griffiths のベンチマークテストでは、値段が倍以上する Mac Pro と比べてもさして引けを取らないという。いずれマックラボのテストに委ねるそうだから、後ほど詳細が分るだろう。

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とてもみんなには勧められない

以上の結果をみて「スゴいっ!ボクもやってみよう!」と考えるひとがいるかもしれない。ちょっと待て!自家製マックにはいろんな(しかもたくさんの)落し穴があるのだ。

Given the above results, you may be thinking “Geez, I should go build one myself!” Before making such a decision, however, you need to consider the pitfalls of building your own Mac—and there are many.

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Rob Griffiths はつぎのような問題点を挙げていく。

・工作の手間

・パーツの仕様書を読み取る知識

・忍耐

・費用

・保証

まだある・・・

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奇妙な振る舞い

マシンが動くようになっても、奇妙なハードウェアの振る舞いを経験したりする。例えば Frankenmac の場合、ちゃんとシャットダウンしないのだ。OS X 自体は終了してスクリーンが暗くはなるのだが、ファンやハードドライブは動いたままだ。完全にマシンを終了するには、手動でパワーボタンを押す必要がある。

Even if your machine is running fine, you may experience odd hardware issues—the Frankenmac, for instance, doesn’t fully shut down properly. OS X itself shuts down, and the screen goes blank, but the fans and hard drive continue to run, so I have to manually press the power button to truly turn the machine off.

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アップデートや EULA の問題

また、将来システムアップデートによってはインストールした OS X に問題が生ずる可能性も大きい。今後の Software Update はむやみに受け入られなくなる。最後にもっと重要なことは、自作マシンで Mac OS X を動かすとアップルの EULA[End User License Agreement:使用許諾契約書]違反となり、やり方によっては著作権法違反にもなるかもしれないということだ。

There’s also a good chance that future system updates may cause problems with my Mac OS X installationムI can’t just blindly accept every Software Update that comes down the pipeline. Finally, and perhaps most importantly, to make your machine run Mac OS X, you have to violate the OS X end-user license agreementムand perhaps copyright law, depending on how you get things done.

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仕上がりの美しさ

その他にも仕上がりの美しさという点で、本物のマックにはとうてい及ばない。Mac Pro と Frankenmac の内部を比較した写真はつぎのとおりだ。

Inside Macs-2

Mac Pro vs. Frankenmac

そして Rob Griffiths は次のように結論する。

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結論は・・・

マックの自作を試してみた結果、自分でやるよりクパチーノの会社に作ってもらう方がずっといいという結論に達した。それに、いつの日か、私の夢である「中クラスの Mac minitower」が現実のものになるかもしれないのだから・・・

Having visited the build-your-own side of the Mac world, I’ve decided I’m more than happy letting Cupertino build my Macs for me—Apple has shown it’s much better at it than I am. And who knows? Maybe one day that mid-range Mac minitower of my dreams will no longer be mythical.

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本流も本流、マックワールド誌の編集者がやってのけたところがスゴい!

さすがに OS X インストールの詳細には触れていないが、マック誌の性格からして当然だろう。

しかし、インターネットを渉猟して得られる情報と市販の PC パーツを買い揃えれば、然るべき知識と技術があるひとなら誰でも「Mac OS X の走るマシン=自家製マック」を作ることが可能だと示した点で画期的だと思う。

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コメント / トラックバック3件 to “これが自家製マック Frankenmac だ!”

  1. futti Says:

    こんばんわ
    いつも、わくわくする話題で楽しみです。
    それにしても、こんな場合たいてい本家マックよりベッチマークテストは良い結果がでるんですね。それも、めちゃくちゃ良い。
    値段はともかく、!! 性能までそんなにかよ??と
    そんな事って、あるんですかね。

  2. Arageo Says:

    この記事には驚愕しました。

    >本流も本流、マックワールド誌の編集者がやってのけたところがスゴい!

    ホントにホントにスゴイ。自腹とはいえ、”Hackintosh”ですよ。しかも堂々と署名記事でーーー。ジャーナリストとはかくあるものか。

    ところで、Psystarの件といい、このRob Griffithといい、人々は本当に拡張可能なmiddle size Macを欲しがっているんですね。Appleはこれに答えるだろうかーーー。

    小生にはMac Proより小さい筐体でApple Storeでフルカスタマイズできる機種というのが理想ですね。

  3. ぺをを Says:

    マックワールド誌の編集者というところが凄いですね(笑)

    ワタシも、このくらいのマシンがあったら欲しいです。 
    ベストはMacProであるとしても、あれはあまりにオーバースペックで高価です。
    例のあやしげなPsystarもほんとうにマシンを出荷しはじめているようですし、ニーズは当然かなりあるはずです。

    ただ、Appleのマシンのラインナップのやりかたで、はたしてこのクラスを出すかどうかというと、かなり疑問であるのは確かなんですよね。残念ながら。
    そういう意味で、Appleにはその予想を裏切って、純正のこのクラスのマシンを出して欲しいものです。

    そういえば、Psystarのことに関しては、いまだにApploeはなにも動きを見せていないようですが、こっちもちょっと不思議ですね。

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