Archive for the ‘MacBook Air’ Category

MacBook Air 分解 – 外は無駄なし、中身は無駄だらけ:日経エレクトロニクス分解班 [Update]

2008年 2月 24日

Air Keyboard

キーボードには,ネジ留めするための微細な穴が無数に開いていた。

日経エレクトロニクス分解班の MacBook Air に関する記事には考えさせられるところが多い。彼我の設計思想の差異をこれほど浮き上がらせているものはないように思われるからだ。

同記事には英訳も添えられていて、それが海外の読者の目にもとまった。

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日本のエンジニアの印象

MacBook Air を分解した「日本のエンジニア」が抱いた感想は次のようなものだった。[英訳は元の記事に添えられたものによる。]

Tech-On!: “【MacBook Air分解その5】「外は無駄なし,中身は無駄だらけ」” by 日経エレクトロニクス分解班: 18 February 2008[英訳はこちら

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「MacBook Airの外観は無駄がなくてスマートですけど,中身は無駄ばかりってことですか?」。

“Can we say that the MacBook Air has a perfect, sophisticated external appearance, but its insides are full of waste?”

技術者一同を驚かせたのは,非常にコストのかかる作りになっていたことである。例えば,部品を固定するネジの本数が極めて多い。キーボードを据え付けるものだけで,30本ほどもある。

What astonished all those engineers was the fact that the computer had a very costly structure. For example, it used an extremely large number of screws to attach components. About 30 screws were used to attach the keyboard alone.

技術者たちは,このような構成になった一因を工場からのフィードバックがなかったことと見る。「日本のパソコン・メーカーでは,おかしな設計をすると工場から文句が出たり,コストを下げるために工場が独自の工夫を加えたりする。MacBook Airは,Apple社の言うとおりにそのまま実装したという印象を受ける」(ある技術者)。

“When it comes to Japanese PC manufacturers, their manufacturing plants will complain or add their own technical efforts to lower cost, if a proposed structural design was insufficient,” one of the engineers said. “The MacBook Air gives me an impression that its manufacturing plant packaged the computer exactly as ordered by Apple.”

今回の分解結果から判断できるのは,Apple社はハードウエアの設計の出来映えや徹底的なコストダウンに,さほど気を遣っていないことである。・・・MacBook Airの不可思議な作りは,ハードウエアの細部まで手を抜かない日本的なものづくりに対する,強烈なアンチテーゼなのかもしれない。

Based on the results of our teardown project, we guess Apple is not paying much attention to both workmanship of the hardware design and comprehensive cost reduction. … The MacBook Air’s mysterious internal design might be a violent antithesis against Japanese manufacturing, which allows no compromise even in detailed parts of the hardware.

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海外の反応

以上紹介した日経エレクトロニクス分解班の記事は海外の読者の目にもとまった。

Rainer Brockerhoff はそのブログで次のように書いている。

Rainer Brockerhoff: “Re: Design snowball“: 23 February 2008

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この記事は製造技術に対する見識というものを考えさせる上で大変興味深い。MacBook Air の製造工場でキーボードを留めている30個のネジのうち25個を無くしようと誰かが判断したとしたら Steve Jobs がどんな反応を示すか想像できるだろうか。間違いなくクビが飛ぶ!

This is a very interesting insight into manufacturing. Can you imagine Steve Jobs’ reaction to somebody at the Air factory deciding to take out 25 of the 30 screws that hold the keyboard? Heads would roll!

これらのネジのすべてが(そして「ムダ」とみなされた他のものすべてが)、MacBook Air を実際手にしたとき誰もが感じるあの堅牢さをもたらしているのだ。これは Air 発表の直後の「とても華奢に違いない」という触ったことのないひとからのコメントと対照的なものだ。これは明らかにみんなが小型電子製品に慣れ親しんできたせいだ。小型電子製品は、内部のムダや空間を削ぎ落とし、コストを下げ、その結果もろい感じが残ってしまうという(どうやら)日本の慣行にしたがって作られているためだと思われる。それがまさに MacBook Air のような極薄の製品ではっきりと強調されてしまったというわけ。

No doubt all those screws (and the other things they considered “waste”) contribute to the Air’s extremely solid feel that’s remarked upon by everybody who has handled one. Contrast this to all the “this thing must be soo fragile” comments, just after the launch, by people who had not handled one. Obviously people are used to small electronic devices following the (apparent) Japanese practice of shaving off internal “waste” to save a little space and money and ignore the consequence of a flimsy feel… something that would be especially accentuated in such a thin device as the Air.

したがって、この記事はアップルデザインの持つ力とその意図とを根本的に誤解したものとなっている。彼らのいう「出来映えや・・・コストダウン」は大変特異なものだ。MacBook Air は、当初から非常に薄くて、頑丈な作りにすることを念頭においてデザインされており、バッテリーやパフォーマンスはそこそこと考えられているのだと私は考える。こういう考えがベースにあるので、その結果バッテリーは 2/3 のスペースを占め、しかもそれ自体が(キーボードと一体となって)構造体の一部となるような「雪だるま効果」(snowball effect)をもたらしているのだ。

So, this article betrays a fundamental misunderstanding of Apple’s design strengths and intentions. Their definition of “workmanship and… cost reduction” is very different. From what I can tell, the Air was designed from the outset to be extremely thin and rugged, while maintaining adequate battery life and performance. These considerations snowball to the extent that the battery uses up 2/3 of the space, and seems to be (along with the keyboard) itself a structural element.

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以下 Rainer Brockerhoff は、ファイヤーワイヤー、イーサネット、DVD ドライブ、交換可能なバッテリーなどを内蔵させた場合、それが積もり積もって(snowball effect)「内部のムダ」に如何なる結果をもたらすかを検証していく。

そして次のように結論する。

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私のいいたいことは以上だ。MacBook Air のデザインに少しでも変更を加えれば、それは雪だるまのように積もり積もって、より大きく、より重く、より熱く、そして頑丈さも少し失われた感じのマシンという結果にならざるを得ない。 Jobs は明らかに、これらのポイントに注力すべきだと考えたのだ。「アップルは・・・ハードの出来映えにさほど気を遣っていない」と考えるのは短絡的だと思う。

So that’s my point. Any change in the Air’s design immediately snowballs into a larger, heavier, hotter and (probably) less solid-feeling machine. Jobs obviously thought it was worthwhile to concentrate on those aspects, and it’s rather shortsighted to conclude that “Apple is not paying much attention to … workmanship”.

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かくも際立った彼我の差を見せつけられる例は最近では珍しいのではないだろうか・・・

なお、この記事を書いた Rainer Brockerhoff についてはこちらを参照。

[via アフリカの西の果て | MBAの内部はムダだらけ?

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追記:日経の Air 分解記事の波紋(3月2日)

Macbook Air-2

日経エレクトロニクス分解班による MacBook Air 分解記事は、英訳が添付されたこともあって多くひとの目に触れ、波紋を広げた。

英語世界の反応については Long Tail World に詳しい。

Long Tail World: “日経のAir 分解記事に対する反応:Nikkei Stripped down MacBook Air“: 24 February 2008

英訳の「No Waste Outside, Nothing but Waste Inside」というタイトルはさすがに強烈だ。日本語の「ムダ」が英語では「ゴミ・廃棄物」になってしまったのだからスゴい。タイトルを見ただけで身構えた読者も多かったのではないかと想像される。(このタイトルが英語でどんな感じになるか、グーグルの機械翻訳を試してみるのも参考になる。)

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前回の記事では真意が伝わらなかったとして、Tech-On! から追加記事が出ている。

Tech-On!: “MacBook Air分解:番外編】我々はなぜ「無駄だらけ」と書いたのか” by 今井 拓司: 28 February 2008

ポイントはつぎのような点にあるようだ。

・では,なぜこの想いが読者に適切に伝わらなかったのか。そこを突き詰めて考えると,根本的な誤解は,「設計に無駄があること」や「技術的に優れていないこと」を,「悪いこと」と考えるかどうかにあると思う。筆者は,これらを悪とは考えていない。

・筆者が前回の記事で提出したかった論点は,「ハードウエアの細部まで手を抜かない日本的なものづくり」と,「ハードウエアの設計の出来映えや徹底的なコストダウン(中略)よりも外観のデザインやソフトウエア,ユーザー・インタフェースなど(中略)に力を注いだ」Apple社のものづくりのどちらが,今の時代に即しているのかということである。

・様々な電子機器に,狙いとするユーザー層があるように,我々の記事も特定の読者に向けて書いている。前回の記事の中心的な読者と想定しているのは,日本メーカーで電子機器の設計に携わっている技術者たちである。

「日本メーカーで電子機器の設計に携わっている技術者たち」が読者だということで、さすがに今回は英訳が添付されていない。

真意が伝わったかどうかの判断はさておいて、この記事によせられたコメント(一部しか読めないが)はなかなか興味深い。

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参考:

[元の記事]

・Tech-On!: “MacBook Air分解その5】「外は無駄なし,中身は無駄だらけ」” by 日経エレクトロニクス分解班: 18 February 2008

・Tech-On!: “[MacBook Air Teardown] ‘No Waste Outside, Nothing but Waste Inside’ [Part 5]” by Nikkei Electronics Teardown Squad: 20 February 2008[前項の記事の英訳]

[いろいろな反応]

・Life is beautiful: “なぜオンラインで注文したMacBookが中国の工場から直接送られてくるのか“: 18 February 2008

・Core: “MacBook AirなんかVaio505EXTREMEの足元にも及ばない(ハードウェア的な意味で)“: 19 February 2008

・ARTIFACT@ハテナ系: “MacBook Air分解記事でコメントをした技術者に文句を言う人たち“: 20 Feberuary 2008

・CNET Blogs: “Japanese engineers trash MacBook Air” by Brooke Crothers: 21 February 2008

・Digital World Tokyo: “Japanese PC makers say crappy MacBook Air design drives cost up“: 21 February 2008

・Tech.co.uk: “Claim: Bad MacBook Air design drives cost up: Japanese PC makers tut tut at naughty Apple designers” by J. Mark Lytle: 21 February 2008

・MacNN: “MacBook Air build inefficient, say Japanese engineers“: 22 February 2008

・The Secret Diary of Steve Jobs: “Japanese bash MacBook Air“: 22 February 2008

・Wired.com: “Japanese Engineers: MacBookAir Badly Designed” by Rob Beschizza: 22 February 2008

・WIRED VISION: “日本の技術者チームが『MacBook Air』を語る「中身は無駄だらけ」“: 25 February 2008[前項 Rob Beschizza の記事の日本語訳:向井朋子/小林理子訳]

・アフリカの西の果て: “MBAの内部はムダだらけ?“: 23 February 2008

・Tech-On!: “Apple Fans Anger Points Out Different Design Philosophies” by Phil Keys: 23 February 2008

・Tech-On!: “Appleファンの怒りが示す設計思想の根本的な違い“: 26 February 2008[前項の Phil Keys の記事の日本語訳]

・Rainer Brockerhoff: “Re: Design snowball”: 23 February 2008

・Daring Fireball: “The Snowball Effect” by John Gruber: 23 February 2008

・maclalala: “MacBook Air 分解 – 外は無駄なし、中身は無駄だらけ:日経エレクトロニクス分解班”: 24 February 2008

・Long Tail World: “日経のAir 分解記事に対する反応:Nikkei Stripped down MacBook Air“: 24 February 2008

・Innovation Design at Harvard Business School: “Following up with Following MacBook Air“: 24 February 2008

・Still Laughin’: “Appleファンの怒りが示す設計思想の根本的な違い“: 26 February 2008

[日経の追加記事]

・Tech-On!: “MacBook Air分解:番外編】我々はなぜ「無駄だらけ」と書いたのか” by 今井 拓司: 28 February 2008

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アップルの狙いは Cloud Computing?

2008年 2月 22日

Nicholas Carr

2003 年の Sun Network Conference における Nicholas Carr / John Todd

MacBook Air を Cloud Computing の視点から捉えた記事が大変おもしろい。

Macin’ Blog の Double KO 氏がすでに概要を紹介しておられるが、なかなか興味深いのでアップルに関連する部分を訳出してみた。

HowStuffWorks: “How the Google-Apple Cloud Computer Will Work” by Chris Pollette: February 2008

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Cloud Computing こそ Next Big Thing

ハーバードビジネスレビューの元編集主幹で、コンピュータ業界に関するライターである Nicholas G. Carr は、その近著「The Big Switch: Rewiring the World, from Edison to Google」の中で、コンピュータの未来における変化について論じている。劇的な変化のひとつは「クラウドコンピューティング」(cloud computing)への移行だ。そこではアプリケーションもファイルもすべて中央のスーパーコンピュータに保存されることになる。すなわちネットワーク上に保存されるということだ。エンドユーザーは自分のファイルにアクセスするのに、現在使っているような高度なコンピュータではなく、もっとスリム化したマシンを使うことになる。

In his new book “The Big Switch: Rewiring the World, from Edison to Google,” computer industry writer and former executive editor of the Harvard Business Review Nicholas G. Carr discusses the changes he sees in the future of computing. One of the more dramatic changes is a shift to cloud computing — where applications and files are stored on a large, centralized supercomputer or network. The end user accesses his or her files using computers that are more streamlined but less sophisticated than today’s typical machines.

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グーグルとアップルが組む

Carr はこの考え方をさらに進めて、2007 年10月17日には自らのブログ Rough Type につぎのように投稿している。すなわち、グーグルとアップルという二つのホットなテクノロジーカンパニーがまさにパートナーを組もうとしており、アップルはユーザーが簡単に持ち運びできる廉価なハードウェアを作るだろうと書いた。グーグルは膨大な数のユーザーがアプリケーションやデータを保存しておけるように広大なデータセンターを建設中だが、この考え方はそのコンピュータ能力に大いにテコ入れするものだ。

Dalles Data Center

グーグルがオレゴン州ダレスに建設した巨大なデータセンター / Craig Mitchelldyer

On October 17, 2007, Carr took the idea a step further in a posting on his Rough Type blog. He called out two hot technology companies, Google and Apple, and said they were on the verge of a partnership in which Apple would make an inexpensive piece of hardware users could carry around. This would leverage the computing power of the vast data centers Google has been building to hold the applications and the data for millions of users.

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完璧なバックエンドを提供できる

グーグルの Eric Schmidt は、2006 年8月にアップルの取締役会に加わった。アップルと組むことの意味を尋ねられた Schmidt は、Wired マガジンのインタビュー(2007 年12月)で、次のように直截に述べている。「グーグルはブロードバンドやそれに係るサービスを中心とする事業モデルの会社だ。アップルの強力なデバイスやサービスにとってまさに打ってつけだ。我々は彼らが解決しようとしている問題に完璧なバックエンドを提供できる。」

Google CEO Eric Schmidt joined Apple’s board of directors in August 2006. When asked about the idea of teaming up with Apple in a December 2007 interview with Wired Magazine, Schmidt said it plainly: “Google’s architectural model around broadband and services and so forth plays very well to the powerful devices and services Apple is doing. We’re a perfect back end to the problems that they’re trying to solve” [source: Vogelstein].

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他にも可能な会社が・・・

Carr によれば、アップルはバックエンドに必要な強力なコンピュータ処理能力を持っていない。持っている会社はさして多くない。グーグル、ヤフー、マイクロソフト、IBM、アマゾンなどに限られると Prabhakar Raghavan[ヤフーのリサーチのトップ]はいう。グーグルとアップルは何年も前からパートナーを組んでいる。マイクロソフトの2月1日の買収提案が成功すれば、合併会社は高度のクラウドコンピューティング会社としてやっていく弾みがつくだろう。

According to Carr, Apple doesn’t have the kind of supercomputing power that would be required to drive the back end of the partnership. There aren’t many organizations that do. Only Google, Yahoo, Microsoft, IBM and Amazon have the ability, says Prabhakar Raghavan, the head of research at Yahoo [source: Baker]. Google and Apple have had a partnership dating back years. If Microsoft succeeds in its bid to acquire Yahoo announced Feb. 1, 2008, the combined companies may well be able to leverage a sophisticated cloud-computing environment.

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グーグル/アップルのクラウドコンピュータ

もしグーグルとアップルが組むことになれば、そのクラウドコンピュータはつぎのようなものになると Carr は考える。

If Google and Apple do team up for this sort of partnership, here’s what Carr feels their cloud computer would be like:

安価:ハードは200ドル以下で買えるだろう。アプリケーションもデータの送信料もタダだ。

Inexpensive: The machine you’d buy would be under $200 and there would be no charge for applications or data transfer.

環境にやさしくグリーン:アップルのシンクライアントthin client、ネットワークコンピュータのこと)は、消費電力の低いチップとフラッシュメモリーを備え、電力消費の大きい光学ドライブやハードドライブは付属しない。

Green: With a low-power chip and flash memory, an Apple thin client — a network computer — would have no power-hungry optical drive or hard drive.

保守が簡単:光学ドライブやハードドライブがないということは可動部分が少ないということだ。したがって耐用年数も長い。

Easy to maintain: No optical drive or hard drive also means fewer moving parts, which means it would probably live a longer life.

アップデートが容易:ソフトのアップデートについて心配する必要はない。すべて向こうでやってもらえる。あなたはマシンがダメになるまで使っていればいいのだ。

Easy to update: You wouldn’t have to worry about updating your software, that would all be taken care of for you. You could just use your machine until it simply wore out [source: Carr].

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主導権を握るのはどちらか

有名な技術ライターでコラムニストの Robert X. Cringely も、グーグルとアップルがクラウドコンピュータで手を組むだろうという Carr の考えに同意する。ただし彼は、Carr が考えるほど簡単には進展しないと考える。むしろアップルのアイコンである Steve Jobs の性格からして、Schmidt やグーグルの頭痛のタネになるだろうと考える。「Schmidt は(そして Carr も)、アップルにはスーパーコンピュータがないと考えているが、Jobs にしてみればグーグルは自分が所有するスパコンの使い方を知っていないと確信しているのだ。それに、グーグル以外にも、望めばいくらでも借りれるスパコンはあるのだから。」

Robert X. Cringely, noted technology reporter and columnist, agrees with Carr that a Google-Apple cloud-computing partnership could take place, but he also believes the deal might not be as simple as Carr makes it out to be. Instead, the personality of Apple’s iconic CEO and co-founder Steve Jobs might provide a source of irritation for Schmidt and Google. “Schmidt (and Carr) see that Apple doesn’t have the supercomputer, but Jobs just as firmly believes that Google doesn’t know how to run the supercomputer it has, and besides, he can rent a supercomputer anytime he wants one, so there” [source: Cringely].

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アップルが運転席・グーグルは後部座席

Cringely はアップルが Carr の考えるクラウドコンピュータをいずれ作るようになるだろうと信じている。しかしまた、他にもいろいろな価格のデバイスを出してくるに違いないと確信している。Cringely いわく、パートナーを組んだとき、主導権を握るのはアップルの方であって、グーグルは後部座席に座っているようなものだと。」

Cringely believes that Apple will make Carr’s cloud-computing device but will also make other cloud computing devices at a variety of prices. He says that Apple will be the dominant company in the partnership, and Google would take a back seat.

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最近出た MacBook Air こそ cloud computing device だと Chris Pollette は考える。たしかに MacBook Air は上述のクラウドコンピュータの特色を備えており、その視点からすれば「Something in the Air」の意味もハッキリするように思える。

また、MacBook Air だけでなく iPhone だって cloud computing device のひとつと考えてもおかしくない。

個人的には、超小型ウェブ端末(iPhone より一回り大きい)への期待がまたぞろ頭をもたげてくる・・・

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Blue Cloud Initiative

IBM Blue Cloud initiative

この他にも本稿では、

・グーグルのデータセンター整備

・グーグルの 700 MHz 周波数帯入札

・マイクロソフトのヤフー買収提案

・マイクロソフトの Windows Live

・アマゾンの Amazon Simple Storage Service (S3)

・IBM の Blue Cloud initiative

など Cloud Computing に関係する事象が多数取り上げられている。

末尾の記事索引も充実しているので、Cloud Computing に関心を持つ読者には見逃せない。

★初出はこちら[maclalala:annex

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ソフトだけでマルチタッチ・ジェスチャを追加できる?

2008年 2月 16日

Trackpad

MacBook Air trackpad

MacBook Air の魅力のひとつ、マルチタッチ・ジェスチャは、まったくのソフトベースらしい。

Ars Technica: “MacBook Air’s multi-touch is all soft (Updated)” by Chris Foresman: 13 February 2008

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ソフトベースのマルチタッチ・ジェスチャ

MacBook Air のすてきな iPhone 風マルチタッチ・ジェスチャは、すべてソフトで可能だということが分かった。アップルの広報担当が T3 に語ったところによれば[T3 の記事はその後削除されたが、MacNN がその一部を引用している]、その秘密はすべてソフトウェアにあるのだという。ということは、他のマックでも同じことが簡単にできる可能性があるということだ。

Turns out all those fancy multi-touch gestures seen on the MacBook Air, by way of the iPhone, are all soft—software, that is. An Apple spokesperson told T3—the article there has since been taken down, but not before being quoted by MacNN—that magic is actually entirely software-based, indicating that it could be added to other Macs pretty easily.

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現行モデルでも・・・

MacBook や MacBook Pro の現行モデルについているトラックパッドでは、現在でも二本指スクロールが可能だ。二つの接点が判別できれば、どこにタッチし、どの方向に移動しようとしているのかを追跡するのはソフト上の問題に過ぎなくなる。二点が同方向に動く場合は比較的単純で、逆方向や円を描くときはちょっと工夫がいる。

The trackpads in current MacBooks and MacBook Pros already allow for two-finger scrolling. When you can track two touches independently, it’s merely a matter of writing software to track the points and note the changes in direction. Tracking two points in the same direction is relatively easy, though. Tracking two points moving in opposite directions, or in a circle, is a little trickier.

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いつ他の機種をアップデートするか

しかし、だからといってアップルがすべての MacBook や MacBook Pro をすぐにアップデートするとは考えない方がいい。MacBook Air は表面積の大きいトラックパッドを使っているので、微妙な動きの感知も容易だ。パッドが小さければ、それだけ細かな動きを追うのもむずかしくなる。テストの結果小さいパッドでも十分効果的だと分かるまでは、アップルは他の機種のアップデートを行わないだろう。私の予想では、MacBook Pro が大きなトラックパッドを備えるまではこの機能を追加しないと思う。

But, don’t assume Apple will be pushing out an update for all MacBooks or MacBook Pros. The Air features a much larger trackpad surface, making it easier to track subtle movements. The smaller the pad, the harder it is to track smaller movements. Apple may push an update out if testing shows the smaller trackpads provide a pleasant user experience. But if I were a bettin’ man, I’d put my money on Apple putting larger trackpads in a MacBook Pro update before adding the feature to the line.

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T3 の記事は不正確だった

Broadcom Bcm5974

Broadcom BCM5974 touch screen controller chip

追加情報:T3 に載った記事はどうやら不正確だったために削除されたようだ。以前公開された iFixit の MacBook Air 分解写真でも分かるように、Air が使っているのは iPhone と同じマルチタッチ専用チップだ。T3 がアップル広報のいったことを間違って書いたのか、それとも広報自身が混乱していたのかははっきりしない。いずれにせよ、アップルとしては他のマックでもより大きなマルチタッチ・トラックパッドを採用するだろうと今でも信じている。

Update: It appears as if the original article at T3 was likely taken down because it was incorrect. As we learned from the iFixit teardown of the MacBook Air, it makes use of the same dedicated multi-touch chip as the one found in the iPhone. We are unsure as to whether T3 misquoted an Apple spokesperson on this issue or whether PR was merely confused. Either way, we still believe that Apple plans to put larger multi-touch trackpads in its other Macs!

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MacBook Air や iPhone/iPod touch には、まだ明らかにされていない秘密がいろいろ隠されているようだ。

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チップを見れば全体像が見える

2008年 1月 25日

Otellini

今回のマックワールドや MacBook Air については、ひとによってその評価が必ずしも一致しないようだ。

例の Robert X. Cringely が興味深い見方をしている。これは周到に計算された壮大な計画のワンステップに過ぎない、チップを見れば全体が見えてくるというのだ。

PBS [The Pulpit]: “The Big Picture: Apple’s methodical moves show it takes time to change the world.” by Robert X. Cringely: 18 January 2008

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株価が下がった

上がるのか、それとも下がるのか。ほとんどのニュースメディアにとって、今週のマックワールドは煎じ詰めればそういうことだった。アップルが発表する新製品はアップルの株価を上げるのか、それとも下げるのか。株価は下がった。マックワールドは失敗だったと、まるでそのこと自体に意味があるかのように何度もいわれた。私自身はアップルの株を持っていない。だから上がろうと下がろうとどうでもいい。たいていのひとがそうだろう。アップルは iPod や iPhone に代わる「i」のついた何か(iSomething)を発表して、今後 200 日の間に 400 万台、1000 万台と売って株価を上げるはずだった。しかしそうはならなかった。確かにクールな製品をいくつか発表した。しかし 400 万台も売れるようなものではなかった。かくて株価は下がった。

Up or down? That’s what this week’s Macworld show came down to for most news organizations. Would the new Apple products make the company’s shares go up or down? They went down. Macworld was a bust, we were told repeatedly, as if it really mattered. I don’t own Apple stock so I couldn’t care less whether it goes up or down, nor could most customers. Apple was supposed to introduce another iPod or iPhone, or iSomething that would sell four million or 10 million copies in the next 200 days, driving share prices higher. But it didn’t happen. Apple introduced some cool stuff, but nothing that would sell four million units this year, hence the letdown.

まったくナンセンスだ。

Hogwash.

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マックワールドとはいったい何だったか

マックワールドの期間中に手早く1割の儲けを出そうというデイトレーダーはたくさんいたが、今年はそうできず失望することとなった。デイトレーダーのことなんかどうでもいい我々一般人はといえば、今回の発表がいったい何を意味するのか、雲をつかむような気持ちだった。そこでじっくり考えてみて、この問題をはっきりさせたいと思う。

A bunch of day traders that used to making a quick 10 percent on their money during Macworld week didn’t make that 10 percent this year, so they were disappointed. A bunch of reporters eager to write about those day traders making their 10 percent were disappointed, too. Meanwhile, the rest of us who don’t care about day traders were left without much perspective on what any of these announcements actually mean. So I’ll do the heavy lifting here and gratefully get back to something non-Apple next week.

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MacBook Air の何が重要か

まず、MacBook Air について考えてみよう。確かにクールな製品だ。しかし名前が悪い。マイケルジョーダンならピッタリだったが[注:Air Jordan のこと、付記参照]、だからどうだというのだ。MacBook Air が来年 100 万台売れるかどうか極めて疑わしい。半分の 50 万台でもどうかと思う。それは Steve Jobs にもよく分かっている。ここで重要なのはサブノートブックコンピュータではない。アップルがいずれ出すことになるより興味深い製品に、MacBook Air の何が影響を与えるだろうかということが重要なのだ。

First let’s look at the MacBook Air, which is a cool product with a bad name, though I guess it worked well for Michael Jordan, so what the heck. It is very doubtful that Apple will sell a million Airs in the next year. It is doubtful Apple will sell even half a million Airs and Steve Jobs knows this. What’s important here is not the subnotebook computer but the bits of it that will likely make their way into much more interesting Apple products to come.

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インテルを納得させるには・・・

Little Chip

例えば、インテルがアップルのために特別にパッケージにした CPU はどうやって生まれたのか。50 万台にも満たぬハコに入れる小さな CPU のために、インテルの Paul Otellini の尻を叩くなんてことを Steve Jobs はしない。Steve Jobs のやり方はいつも同じだ。彼はこういって Paul Otellini を督励したのだ。この小さな CPU はいずれ何百万というアップル製品が搭載することになると約束したのだ。その製品は MacBook Air なんかよりはるかに安い筈だ。また向こう半年の間はアップルだけが独占的に使用するという話にした筈だ。

Take that specially packaged Intel CPU, how did that come about? Steve Jobs didn’t beat the heck out of Intel CEO Paul Otellini to get a little CPU that would go into fewer than half a million boxes. Steve did what he always does. He beat the heck out of Paul Otellini with the promise that this little CPU — for which we can expect Apple will hold some exclusive for the next six months — will end up in millions and millions of Apple products, nearly all of them costing a lot less than a MacBook Air.

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アップルタブレット

インテルにとってアップルは大変重要な存在だ。誰も口にしないが、100% インテルプロセッサを使う最後の有力コンピュータメーカーなのだ。ぎりぎりムダを省いて多くのことを成し遂げるアップルのやり方(Apple’s ability to do more with less)は、他のメーカーにとっても常に刺激となっている。アップルが家電とネットワークにより傾斜していくとき、インテルもまたそうするのだ。今年中にはアップルタブレットが登場すると私は今でも信じている。そのタブレットには、これと同じインテル CPU を使う筈だ。

Apple is very important to Intel. Though nobody says it out loud, Apple is the last of the major computer companies that uses 100 percent Intel processors. And Apple’s ability to do more with less has to be a continual inspiration to its competitors. As Apple slides further and further into the consumer electronics and networking markets, Intel will be right there, too. I still expect we’ll see an Apple tablet this year, for example, and it will use this same Intel CPU.

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マルチタッチトラックパッド

じゃあ、マルチタッチのトラックパッドはどうか。私がかつて予言したように、マウスに代わるものが今年初めて登場するということか。そうかもしれない。今後いたるところでトラックパッドを目にするようになることだけは確かだ。

How about that new trackpad with the multi-touch interface? Could that be the first look at that mouse replacement I predicted would be coming from Apple this year? Maybe. You can be sure we’ll see a lot more of that baby.

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光学ドライブ

MacBook Air が光学ドライブをなくしてしまったことはどうか。あんなに薄いのでは、光学ドライブの収納スペースを確保するなんて至難の業だ。でも、Steve Jobs がアップルに復帰したとき、ノートブックからリムーバブルメディアをなくすることには激しく反対したのではなかったか。PowerBook 100 や 2400 も PowerBook Duo もそうではなかったか。なぜ Steve は今になって考えを変えたのだろうか。それは、すべての光学ドライブをネットワーク経由のものへ、出来れば iTunes に置き換えたいと彼が考えているからなのだ。Blu-ray について今週アップルが触れなかったのはそういうわけだ。Jobs のやり方がこのまま通るなら、今後とも Blu-ray について目にすることはないだろう。

What about the Air’s lack of an optical drive? It’s hard to find a place for an optical drive in such a thin computer, but isn’t Steve Jobs the guy who when he returned to Apple railed against notebooks without removable media, like the PowerBook 100 and 2400 and the various PowerBook Duos? Why did Steve change his mind now? Because Steve wants to replace optical drives of any sort with bits provided over the network, preferably from iTunes. That’s also why we didn’t see an Apple Blu-ray announcement this week and — if Jobs has his way — we’ll never see one.

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Apple TV

第二世代 Apple TV について考えてみよう。私以外は誰も尋ねなかった質問がある。  229 ドルに値下げしたのは何故かという質問だ。99 ドルに下げたのなら、「うん、レンタルマーケットを育成するためには、持ち出しになってもいいと判断したのだな」と考えるだろう。でも何故 229 ドルなのだ。どこかのフォーカスグルーブが Apple TV は 230 ドルでも売れると入れ知恵したのだろうか。所詮これはセットトップボックス(set-top box)に過ぎない。セットトップボックスなんかにカネを払いたいひとはいないし、払うにしても 299 ドルや 229 ドルなんてとんでもない。

Let’s turn now to the second-generation Apple TV and the question I seem to be the only one asking: why did they drop the price to $229? Had they dropped the price to $99 I’d say, “Okay, they’ve decided to lose money on this thing to grow the rental market.” But why $229? Did some focus group tell Apple there was price resistance to the Apple TV above $230? It’s a set-top box! People don’t want to pay anything for a set-top box and if they do pay something they sure don’t want to pay $299 OR $229.

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Apple TV はマックだ!

Apple TV にからむ分野はどれも Steve Jobs にとっては地雷原だ。ここで注目すべきは、Apple TV が小さなマックだということだ。ただ、生まれながらに備えているマックとしての能力(innate Macness)は注意深く隠されている。映像出力こそ HDMI ディスプレイに限られているものの、実は Apple TV は正真正銘のマックなのだと発表していたら、マックワールドはぶっ飛んだに違いない。大型液晶テレビ(HDTV)に繋いで、ウェブサーフィンその他 Apple TV で出来ることならなんでも出来るマックが、たとえ当初の 299 ドルという価格であってもそれで買えるなら、これはもう間違いなく大ヒットだろう。しかし、そうなれば Mac mini や iMac の売上げを大きく食ってしまうおそれがあるので、Steve としてはそうはいえないのだ。

The entire Apple TV category is a minefield for Steve Jobs. It’s a tiny Macintosh, remember, though with its innate Macness carefully hidden. Steve COULD HAVE blown the doors off Macworld if he had simply allowed the Apple TV to BE a Mac, albeit limited to HDMI displays. If you could buy a Mac that attaches to your HDTV for web surfing as well as all the other Apple TV functions, even at the original $299 price, it would have been a HUGE hit. But it might also have hurt Mac Mini and iMac sales, so Steve couldn’t bring himself to do it.

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Apple TV Nano

長期的にみれば、Apple TV の関連製品はいずれテレビそのものに組み込まれると思う。ここにもまた地雷原がある。なぜなら、コンピュータは次々に買い替えられるが、テレビとなるとそうはいかないからだ。だから、 デルや HP がやったようにアップルがテレビ部門に進出しても、確かに初めは売上げが伸びるだろうが、いずれは伸びが止まる。結局アップルの進む道は、ケーブルカードに Apple TV を組み込んだような製品、いわば Apple TV Nano を作る方向に向かうことになるだろう。これは技術的には今でも可能だ。1年半もすればどこでも見られる存在になるだろう。大型液晶テレビのベンダーはこれに飛びつくはずだ。ケーブルカードを備えた大型液晶テレビは、爆発的とはいわないまでも大いに売れる筈だからだ。

In the long run I think the whole Apple TV product category will be subsumed into the television, itself. Here, too, is another minefield because people replace their computers a lot more often than they replace their televisions, so Apple going into the TV business (like Dell and HP have) might help sales at first but later hurt. The more likely move for Apple, therefore, is to eventually create the Apple TV Nano, which is an Apple TV built into a CableCard. This is technically feasible right now and 18 months from now it will be a no-brainer. The big HDTV vendors would jump on that one like crazy since it would drive CableCard-equipped HDTV sales, which have been less than stellar.

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映画レンタルサービス

アップルの映画レンタルサービスも大きな話題だ。私にとって興味があるのはブロードバンド ISP[Internet service provider:インターネット接続サービス業者]に与える影響だ。アップルに限らない。アマゾン、Netflix、その他たくさんいる。アップルのおかげで競争が激しくなっているのは事実だ。

Apple’s movie rental service offers a lot to talk about, too, though the part I find most interesting is simply the likely impact on broadband ISPs. It’s not just Apple, but also Amazon, Netflix, and others that will drive this impact, though those competing efforts are accelerating right now because of Apple.

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料金値上げの絶好のチャンス

ブロードバンド業者は今でも優位を保とうと、回線容量を制限したり、HD 映画をダウンロードする周波数帯域に30ドル課金する話を持ち出したりしている。しかしそんな回線容量のサポートに必要なバックボーンの増強についてカネを出す気はさらさらない。それなのにブロードバンド業者が動き出した理由は、料金値上げの絶好のチャンスが到来したと見ているからだ。これらのブロードバンド業者(ケーブル会社や電話会社)は、これまでの電話やテレビといったサービスより、ブロードバンドの売上げから利益を上げている。ケーブル料金が上がり続けているのは事実だが、そのほとんどはコンテンツ料金の値上げによるものだ。ブロードバンド業者にとってインターネットのコンテンツそのものにはコストはかからない。しかしコストがかからないからといって、みんなからカネがとれるものなら、それを辞めるというわけでもないのだ。

The broadband ISPs are already jostling for advantage, talking about limiting throughput and making people pay $30 for the bandwidth to download an HD movie. They simply don’t want to pay for the additional backbone capacity required to support this level of traffic. But the even bigger reason why the ISPs are moving right now is they perceive a perfect storm that will allow them to RAISE PRICES. Whether we are talking about a cable company or a phone company, these ISPs make more profit from selling broadband than they do from selling their original service, whether it is phone or TV. Cable prices keep going up, true, but nearly all of that goes for increasing costs for content. Internet content costs an ISP nothing, but that doesn’t mean they won’t try to charge us more if they can.

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グーグルがダークホース

もっと奇妙なことは、みんながビックリする HD コンテンツが静的だ[static:増加したりせず変化がないの意か]ということだ。これまで制作されたあらゆる映画を1台のサーバーに入れ、ケーブル会社や DSL マシンルームに置いておいて、以後そのコンテンツのバックボーンには一切手を触れないというのも、完全に合理的なのだ。大手ブロードバンド業者は IP マルチキャストを通じてすでにそれを始めている。ただし彼らはカネを取りたいと考えているのだ。この分野でのダークホースはグーグルだ。この数年グーグルは、消費者のために、ブロードバンド業者に成り代わって、これらのサービスの提供者として自らを位置づけ、注力してきた。我々がコマーシャルをちょっと見てくれさえすればという話だが・・・。決めるのが消費者ということなら、成功するのはグーグルになるだろう。

What’s crazy about this is that most of the HD content we’re getting upset about is static. It is perfectly reasonable to put every movie ever made on a server and put just such a server in every cable company or DSL machine room and never have to touch the Internet backbone for that content, which is exactly what I’ve explained the big ISPs are already starting to do through IP multicast. But now they’ll want to be paid for it. The dark horse here is Google, which has spent a couple years positioning itself to offer to handle this service on behalf of ISPs and consumers alike in exchange for us watching some commercials. If it is up to consumers, Google will succeed.

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Jobs は知っている

Steve Jobs はこのことを知っている。アップルとグーグルは、それぞれ役員が重複していることから、相手が何をしようとしているのか正確に把握している筈なのだ。

And Steve Jobs knows this, because with their interlocking boards, Apple and Google have to know precisely what the other is up to.

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周到に計算され尽くした計画

したがって、マックワールドは十分に計算され尽くした計画に至るステップのひとつに過ぎないのだ。アップルが(多分グーグルも)情報メディアの世界支配を図るという計画の・・・。この計画には忍耐がいる。この点をプレスは理解できないし、理解しようともしない。結局、これが良いことかどうかを決めるのは我々ひとりひとりだということになる。現時点では、まだその評決が出ていないようだ。

So Macworld was just another step in a very measured plan to establish global media dominance for Apple and probably for Google, too. But it’s a plan that requires patience, which the press can’t — or doesn’t want to — understand. So it is up to us as individuals to decide whether this is good or bad. I’d say the jury is still out on that one.

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なるほど話は壮大だ。

ISP にまで広がって、門外漢にはよく分からないところもあるが、アップル特注のチップの話は確かにこれだけではあるまい。

Cringely のいうとおり、マックワールドで明らかになったのはほんの一部に過ぎないのだろう。

なお、MacBook Air 搭載のチップについては、Anand Lal Shimpi の記事が詳細で興味深い。

AnandTech: “The MacBook Air CPU Mystery: More Details Revealed” by Anand Lal Shimpi: 17 January 2008

★初出はこちら[maclalala:annex

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付記:ナイキの Air Jordan(1月27日)

Michael Jordan

Michael Jordan poses with the new Air Jordan XX3 basketball shoe

ナイキが生み出したスニーカーシリーズの最高傑作。

Air Jordan

Air Jordan – Michael Jordan won the NBA Slam Dunk Contest in 1987 and 1988.

Michael Jordan の脅威のジャンプにあやかって Air と命名したといわれる。

たくさんのシリーズが出て、爆発的にヒットした。

Air Jordan のコマーシャルはこちら

教えてくださった ryo さんに感謝します。

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MacBook Air にはピッタリのマーケットがある

2008年 1月 19日

Macbookair-2

今年から新たにヤンキーグループに移籍した Carl Howe が、興味深い記事を寄稿している。

MacBook Air にはピッタリのマーケットがあるではないかというのだ。

Blackfriars’ Marketing: “The MacBook Air is an ideal product — in the right market” by Carl Howe: 18 January 2008

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つのる不満

MacBook Air の欠点について、そこら中のブログが不平をいっている。プロセッサのスピードが遅い、光学ドライブやイーサネットが付いていない、ユーザーがバッテリーを交換できない、値段が高いなどなどだ。これで誰かが、アップルはお終いだ、またマイクロソフトの出番だなどと言い出せば、不平不満も完璧というわけだ。

Blogs worldwide are moaning about the MacBook Air’s deficiencies, ranging from its slow processor, its lack of an optical drive and wired ethernet, its lack of a user-replaceable battery, and of course, its high price. All we need now is someone predicting that it will be the death of Apple and the second coming of Microsoft, and the moaning will be complete.

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ファッション・ホスピタリティ業界

いろいろ不満をいっている連中は、フェラーリには十分なトランクスペースがないと文句をいう連中と同じだ。アップルは MacBook Air をゴマンと売ろうとしているわけじゃない。初年度は数百万台売れればいいのだ。何故かって? MacBook Air は、未開拓だが儲けが大きく、かつマーケットシェアも拡大できるニッチェマーケット[market niche]に狙いを定めているからだ。それは、ファッションデザイナーや高級ホスピタリティ[luxury hospitality]業界なのだ。

Frankly, it strikes me that these people who about the feature set are a bit like the thsose [sic] who complain that Ferraris don’t have enough trunk space. Apple’s going to sell if not a gazillion, at least a few million MacBook Airs in its first year. Why? Because Apple has identified an untapped and very profitable market niche for the MacBook Air that will expand its market share: fashion designers and luxury hospitality companies.

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アルマーニのスーツに似合うコンピュータ

あなたがラルフローロンやプラダの重役だとしよう。デルのラップトップを持ち歩くと考えただけでジンマシンがでる。彼らにとってスタイルやデザインは贅沢品ではない。仕事上どうしても必要なものなのだ。コンピュータ業界はこのテの顧客をこれまで無視してきた。ごつい箱のようなデザイン、ギークしか通じない専門用語、そもそもファッションの価値自体を一般的には否定してきたといえる。言い換えれば、アルマーニのスーツに似合うコンピュータがどれだけあったかということだ。

If you’re an executive at Ralph Lauren or Prada, the ugliness of carrying around a Dell laptop would give you hives. For these people, style and design isn’t a luxury; it’s an essential job requirement. And its a category of people whom the computer industry has not served well to date with boxy designs, techie jargon, and a general rejection of the value of fashion. Said another way, how many computers look good with an Armani suit?

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ホスピタリティ産業

フォーシーズンズのコンシエルジュ、W ホテルのレセプションについても同じことだ。ホスピタリティ産業では二つのコンピュータしかない。顧客と対面するフロントで使うものと、バックエンドで使う業務上のものだ。ほとんどコンピュータはバックエンドで使うことを目的に設計されている。しかし MacBook Air なら、フロントのガラス製デスクに置いてもピッタリフィットする。MacBook Air はまさにこのマーケットを念頭においてデザインされたものなのだ。

The same could be said for the concierge desk at the Four Seasons, or the reception area at the W Hotel. In the hospitality industry, there are two types of products: those for the front of the house (customer-facing) and those for the back of the house (production). Most computers are designed for the back of the house. But you could put a MacBook Air on a glass desk in any one of those front of house environments, and it would fit right in. It’s a product designed for this market.

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MacBook Air はピッタリだ

もう一度 MacBook Air について書かれた欠点なるものを見てみよう。すると、新しいラップトップを探しているファッション業界の重役が、いかに MacBook Air のデザインを気に入るかよく分る。

To give you a better concept of this target market, let’s do a quick rundown of the published MacBook Air deficiencies with a synthetic fashion executive who is looking for a new laptop, and has admired the design of a MacBook Air:

1)プロセッサが遅い 「スピードは十分だと思う。それに表計算ということなら、ちゃんとやってくれる連中がうちにはいるよ。」

– Slow processor: “Seems fast enough to me. I have people who can do spreadsheets if it doesn’t suit my needs.”

2)光学ドライブやイーサネットがない 「余分なものなんか持ち運びたくない。ケーブルや物理的メディアなんて20世紀の遺物だよ。」

– No optical drive or wired ethernet: “I don’t want to have to lug around extraneous baggage, and wires and physical media are so last century.”

3)バッテリー交換ができない 「バッテリー交換が必要になったらサービスに廻せばいいさ。アップルストアでやってくれるなんて結構じゃないか。」

– No user replaceable battery: “If I need it replacing, I’ll send it out. I like the fact that the Apple store will service it for me.”

4)値段が高い 「高いって? 私のスーツより安いもんだよ。」

– High price: “Expensive? It costs less than my suit.”

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イメージが重要な業界

スピードが何ギガヘルツとか、どんな機能があるかなんて、ファッションにとってはメじゃない。デザイン、エレガンス、ライフスタイル、それこそが重要なのだ。言い換えれば、本質的で美しいものに焦点を絞り、それ以外のものをすべて削ぎ落とすことが大切なのだ。ファッションやホスピタリティ業界、テレビ番組、その他イメージが重要な業界にとって、MacBook Air はまさにドンピシャリだ。

Fashion isn’t about gigahertz and feature sets. It’s about design, elegance, and lifestyle — said another way, it’s about focusing on a few, essential and beautiful things, and leaving everything else out. And for the fashion industry — and the hospitality industry and TV shows and countless other image-driven businesses — the MacBook Air will be right at home.

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確かにアップルが新たなビジネスマーケットを狙っているとするとこれはおもしろい。

力仕事の分野ではなく、ファッション系・ホスピタリティ系が狙い目だとすると、いささか中途半端に見える MacBook Air も、その輝きが一段と増すような気がするのだが・・・

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